画像情報及び印象の可視化に関する研究
杉山 仁彦 (9651061)
画像などの非記号情報を介したコミュニケーションでは,その情報が包含する
「意図」が様々な形態で解釈され得るために,作り手の意図が正確に伝わらない
といった問題が生じる.WWW のホームページなど画像を用いたマルチメディア
コンテンツを作成する際の支援として,人による画像の印象の違いを認識し
それに対処するために,人,画像,印象という三者間の関係を明示化するため
の枠組みが必要である.
本発表では,人,画像,印象の関係の可視化に向けて,そのモデル化と計算機に
よる支援およびその手法の評価を行なった結果を報告する.可視化に際しては,
まず人,画像および印象語の三者の関係についてのモデル化を行ない,次にその
モデルを可視化する手段として空間配置のアプローチを採った.
EVIDII (Environment for Visualizing Difference in Individual
Impression) システムは,このモデルに基づき,提案する可視化のための
スケールおよびそのインタフェースを実装したプロトタイプシステムである
.様々な人々が画像に対してどのような印象をもつかについて七種類の調査を
行いEVIDII システムを用いて印象の違いを考察した結果,見られたいくつか
の特徴についても報告をおこなう.