ソフトウェアユーザビリティ評価実験のガイドライン作成と実験的評価

菅原 千穂子 (9651059)


本研究では,ユーザビリティ評価実験を系統的に,かつ,容易に行うための具 体的手順の確立を目指して作成したガイドラインを作成した.ガイドラインの作成 にあたっては,ユーザビリティ評価実験のケーススタディの観察,分析を通し て得られた知見を基にしている.
このガイドラインでは,実験は4つのフェーズ(デザイン,実施,分析,評価) で構成されるものとする.特に,ガイドラインではデザインフェーズに着目し,実験の実 施と分析の手順を明文化するように指示している.これにより,ガイドライン に従って行ったユーザビリティ評価実験には,繰り返して実験可能であり,実 験データを再利用可能であるという特長がある.
作成したガイドラインを評価するためにガイドラインの適用実験を行った.適 用実験では,広く利用されている商用のプレゼンテーションソフトウェアを評 価対象とした.ガイドラインに従って実際にユーザビリティ評価実験を行い, 評価対象ソフトウェアのいくつかの問題点を発見している.その結果ガイドラ インの有効性が確認されるとともに,いくつかの問題点も明らかとなった.