Acquisition of Nominal Lexical Knowledge from Japanese Corpora

河部 恒 (9651036)


自然言語処理において辞書の存在は不可欠である。現在いろいろな種類の機 械可読辞書が、システムと独立したモジュールとして幅広い分野で使われている。

自然言語処理の意味処理を行おうとするとき、動詞に関しては、それが述語の 働きをするという観点から、格フレームが用いられており、それを基に動詞辞 書がつくられている。しかし名詞については、どのような辞書記述が必要かに ついての共通の構造がない。

それは、名詞に関しての辞書をつくろうとした場合、多義性、世界知識の問題 等、様々な困難が存在するためである。

本論文では、その原因の一つとして、すべての名詞を機能的に分類することを しないですべて統一的の扱おうとしていたことに起因するという視点を導入し、 名詞を類別することを考える。特にシソーラスのように名詞間の階層関係を決 定する場合には、上位下位関係は各レベルで均等ではなく、ある特徴を持った レベル(=基本レベルカテゴリ)が存在すると仮定し、その選定を行う。

次に、そこで得られた基本レベルカテゴリの名詞をもとに、一般の名詞をクラ ス分けする方法を与える。ここでは、格フレームを基に獲得実験を行う。