手形状入力装置を用いたインタフェースにおける
応答遅延がインタラクションに与える影響の検討
金川 将成 (9651030)
手を用いた操作の正確さや自然さを活かすために
手形状入力装置と3次元位置計測装置を用いる
ユーザインタフェース(グローブインタフェース)が注目されている.
本研究ではグローブインタフェースが持つ,
1)身振りや手振り(ジェスチャ)による表現が可能である,
2)直感的 $\cdot$ 直接的に3次元空間の指示が可能である,
という2つの利点を各々活かした,
ジェスチャを用いた擬人化インタフェースと
仮想物体を直接操作するインタフェースに着目する.
さらに,各々のインタフェースにおいて
応答遅延と操作性の関連を調査した.
一般に,ユーザの入力から計算機の出力までの時間(応答遅延)は
インタフェースの操作性に強く影響を与える.
従って,システムの設計や評価のためには,応答遅延と操作性の
関連を知っておくことは重要である.
被験者実験の結果,ジェスチャインタフェースにおける
ユーザが許容可能な最大遅延量と知覚可能な最小遅延量が得られ,
仮想物体直接操作インタフェースにおいて
手の動作計測に遅延のある場合,
ビジュアルフィードバックは却って操作の妨げとなり得ること,
現実の手を透過的に見せることで作業時間や操作感覚を改善できること,
などが明らかとなった.