モバイル環境における知識の構築・共有方式

梶原史雄(9651028)

本研究では携帯端末内に日常的な出来事「日常記憶」を構築することにより,
個人の記憶活動を支援するシステムを構築することを目指した.

このシステム「拡張記憶システム」は一般的に携帯端末で利用されている
アプリケーションと異なる視点から携帯端末に特化したアプリケーション
「モバイル指向アプリケーション」であり, 位置情報による情報分類,
ユーザに特化した記憶構造の構築, ユーザによる即時利用などの
特徴を持つ.

この「拡張記憶システム」で構築される「日常記憶」の知識表現法としては
既存の知識表現法ではなく「弱い情報構造」と呼ばれる情報間の関連付けを
行わない知識表現法を用いた. 「弱い情報構造」は関連付けを行わない分,
人間が行なう記述・再構成が容易であり, 「日常記憶」のような関連付けが
難しい曖昧な情報に対してうまく働くことが期待できるためである.

同時に「拡張記憶システム」内の「日常記憶」をコミュニティ内で
共有する「議論型共有システム」の構築にも取り組んだ. 各ユーザの主観により
表現された「日常記憶」を共有するためには各ユーザが介入する必要がある.
「議論型共有システム」では各ユーザにより議論を行いながら単なる共有
だけではなく新たな知識構造の創造・拡大を目指す.