相関係数を入力とする自己組織化マップを用いたプラントの異常検出

蔭地 謙作 (9651025)


プラントの異常検出・診断法の研究は、オペレータを支援して プラントの安全性を確保するために非常に重要な課題である。

本論文では、プラント変数間の相関係数を とり、これを入力とする自己組織化マップ(SOM)を用いた異常検出方法 を開発した。

プラント変数は物質収支,熱収支等の物理的拘束やコントローラによる拘束の ために、それぞれ何らかの動的な関係を保ちながら変動する。 そこでまず動的な関係を含む変数間の情報を相関係数を基にしたベクトルで表現した。 次にこのベクトルの正常パターンを自己組織化マップ(SOM)に学習させ、 正常なパターンのモデルを作成した。

観測データを自己組織化マップ上に作成した正常パターンのモデルと 比較することで異常検出を行った。この際に、複数の変数間の相関関係を 同時に観ることで異常箇所を特定することを試みた。また、ボイラープラントに適用し、この方法が有効である ことを確認した。