生物指向型コンピュータウイルス発見・修復システムの提案

岡本 剛 (9651021)


コンピュータウイルスが出現して以来、世界的に猛威を振るいはじめ、現在そ の種類は1万種を越え1日平均6種は出現している。さらに、この増加はイン ターネットの普及に伴うコンピュータ間の相互接続の増加とともに今後更に加 速することが予想される。

本発表ではこの問題を解決するために、生物学上のウイルスとコンピュータウ イルスの類似性に着目して、生体の防衛システムから学んだ生物指向型コンピュー タウイルス発見・修復システムを提案する。

本システムは、生体の防衛システムと同様に、免疫システムと自己増殖による 回復システムで構成されている。免疫システムは、事前に記憶した自己の情 報からウイルスを捜し出し、発見すると抗体エージェントがウイルスと結 合して治癒的無毒化を行なう。またキラー細胞エージェントがその非自己自体 を破壊して一切のウイルスを排除する。そして、ヘルパーT細胞エージェント がこれらのエージェントを制御・管理している。

さらに回復システムはLAN内のコンピュータに複製の送信を依頼する増殖依 頼エージェントと複製を送受信する増殖エージェントによって自己を修復する。 本研究ではセキュリティを重視したマルチプラットホーム言語である。

JAVA言語を用いてプロトタイプの実装を行ない、実験では実際のコンピュー タウイルスを感染させて本システムの有効性を確かめた。