実時間医用超音波動画像伝送システム
Tele-Echo System

楳田 敏之 (9651014)


現在日本において,多くの一般診療所が超音波診断装置を保有している.しか し,超音波動画像を用いた高度な診断を必要とする患者は,専門医のいる病院 へ搬送しなければならない.そこで,一般診療所であっても病院にいる専門医 の医療を可能とする実時間超音波動画像伝送システム,Tele-Echo System を 提案する.

提案システムは、超音波動画像圧縮方式としてMPEG-1を用い、実時間で伝送す ることでミーティング方式の遠隔医療を実現する。本研究では、提案システム を構築し伝送した超音波動画像の画質評価実験を行った。その結果、提案シス テムで伝送する超音波動画像は画像サイズが 352 × 240 pixel,1秒あたりの フレーム表示数が 約 30 で RMS誤差が約 9% ,PSNR が 平均 30 dB ,コント ラスト誤差が 1% 以下と劣化が少なく,伝送時に発生するパケット損失にも画 質劣化が少ないことを示した.また,提案システムを用いた遠隔医療を行うこ とで医学的有効性及び所見を明らかにした.このため,提案システムは超音波 動画像を用いた遠隔医療への利用が期待できる.