全方位画像を用いた記憶に基づく位置推定に関する研究
粟飯原 述宏 (9651001)
ロボットが自律的に行動するための最も重要なタスクの1つとして,
自己位置の認識がある.
位置の認識を正確に行なうことができなければ,
ロボットを正しくかつ安全に目的地まで誘導することはできない.
ロボットの位置を認識するためには周囲の環境情報を獲得することが
不可欠であり,
中でも視覚センサは,
1度に多くの情報を獲得でき,
また獲得された画像情報を位置推定以外にも様々な目的に利用できるため,
広く用いられている.
視覚情報を用いたロボットの位置認識において,
最近特に注目されているのが記憶に基づく手法である.
このアプローチでは,
予めロボットが移動する領域内で多くの画像をその位置情報とともに
記憶しておく.
そして,
ロボットが移動しながら撮影した画像を記憶した画像と照合することによって,
ロボットの位置を推定する.
本研究では,
記憶に基づく新しい位置推定法を提案する.
提案手法は以下の特徴を有している.
- 使用する画像情報は周囲360度の情報を含む全方位画像である.
- 全方位画像から位置に固有な情報である自己相関画像を求め,
この類似性を判定することで位置の推定を行なう.
- 画像集合の記憶には固有空間法を用い,
記憶容量の削減を行なう.
- 記憶する画像集合を予め分割しておき,
大局的,局所的という2段階の位置推定を行なう.
実際に,
屋内および屋外で撮影された全方位画像を用いて実験を行なった結果,
提案手法が非常に高い位置推定性能を有することが確認できた.
本発表では,
以上の内容について紹介する.