映像情報のデータ量の大きさを考慮して,圧縮映像データを管理する手法を提 案する.試作システムの制約のため画像はMPEG-1で圧縮し,音声はAU形式で保 存するが,本論文の方式は,MPEG-2で圧縮した画像データ及び圧縮した音声に ついても適用できる.
映像は意味的に区切られた「場面」に焦点をあて,生映像,場面映像,複合映 像の三つに構造化した.これまで開発されたシステムでは,画像に対してだけ 場面の索引付けを行い,データベース管理システムに格納していた.このため, 画像に関する問合せにより場面を抽出可能であるが,音声に関する問合せは不 可能であった.音声に索引を付け音声に関する問合せも可能にすることで,あ る場面から会話の無い部分を取り除いた場面の抽出や,画像と音声の意味的な 矛盾を考慮した場面の抽出が可能となる.
音声による検索・映像再生の際に,画像と音声の同期問題が生じるが,空音声 を導入し,共有メモリを用いることにより,画像と音声の同期再生を可能にす る新たな手法も提案する.