自己反映計算型オペレーティングシステム上でのアプリケーション開発支 援環境の構築

山下 貴典 (9551118)


これからのコンピュータネットワークの形態として、携帯型端末、ゲーム機、 Network Computer、Video On Demand のサーバ/セットトップホックス等をは じめとする開放型組み込み機器が接続されることが予想される。このようなネッ トワークでは、頻繁なシステム構成の変更、制限された計算資源での快適な実 行、位置透過性、移動透過性の実現などに対応できる新しいソフトウェアアー キテクチャが必要である。

大規模で複雑なネットワーク上に分散環境を実現し上記の問題を解決しよう という試みはこれまでにも多く行われているが、全く新しいソフトウェアアー キテクチャに基づく環境への移行には既存のユーザ環境の共存とプログ ラマのための開発環境の充実が欠かせない。

本研究ではこのような問題を解決し、分散環境への連続的な移行を可能にする ための方法の一つとして 分散 OS Emulator を提案し、その設計/実装を行っ た。今回の実装では、オブジェクト指向 OS Apertos をエミュレーションの対 象とし、UNIX 上での Apertos のアプリケーションプログラムの動作を確認し 実用的な実行速度を得る事ができた。