並行作業を含むソフトウェア開発プロセスのスケジューリングシステム

矢部 智 (95511116)



ソフトウェアの需要量が増大し,企業間の競争が激化するにつれ,開発期間の 短縮化の傾向が強まってきている. そこで重要となるのが進捗管理のためにプロジェクト立案の時に行なう スケジューリングである。 通常はソフトウェア開発プロセスをいくつかのサブシステムに分割し, 個々のサブシステムについて要員や機材の割当を行なうが, サブシステム間の依存関係によっては,あるサブシステムが他の複数のサブシステム が完成するまで待たなくてはならない.

開発期間を短縮するためにはサブシステム開発間にまたがる クリティカルパスが 短くなるようにスケジュ−リングを調整する必要がある.

具体的には,サブシステムの上流工程の作業の完了を待たずに下流工程の作業 を開始すること(作業の並行化) によって,開発期間の短縮化が図られるが, この方法は開発総工数の増加を 招くため, 開発期間と開発総工数のトレードオフを予測することが重要となる.

本研究では 作業の並行化を開発プロセスのクリティカルパスに適用し, そのときに開発期間と開発総工数に与える影響 を開発プロセスのシミュレーションモデルを用いて予測することで, スケジュ−リングを支援するシステムを提案する.