テーブル参照型FPGAの故障診断とその複雑度に関する研究
宮崎 聡士 (9551110)
FPGA(Field-Programable Gate Array)は,プログラムすることにより
任意の論理回路を実現できるVLSIである.特にテーブル参照型FPGAは
何回でもプログラムを書き換えることができるのでその応用性は高い.VLSIに
故障があるときその故障箇所を特定することを故障診断という.FPGA
の故障診断法が確立されれば,たとえFPGAに故障があったとしても,ユーザは
正常部分だけで有効なプログラムを行うことが可能となる.
本研究では再プログラム可能なFPGAに対する万能故障診断を提案する.
万能故障診断とは,プログラムされていないFPGAに適用することにより,その
FPGA上の故障箇所を特定するものである.代表的な再プログラム可能なFPGAで
あるテーブル参照型FPGAの構成要素の一つである論理ブロックに着目し,故障
している論理ブロックを特定する万能故障診断手続きを示し,その
診断複雑度(故障診断に要する時間)を明らかにする.さらに,故障診断の
複雑度がFPGAのアレイサイズに依存しないC診断可能なFPGAについて考
察する.
発表の内容は,以下の通りである.
- FPGAについて説明する.
- FPGAのテストおよび故障診断における既存の技術を紹介する.
- 万能故障診断を提案し,万能故障診断手続きについて説明する.
- 対象とするテーブル参照型FPGAのモデル示し,故障モデルを仮定する.
- テーブル参照型FPGAの論理ブロックに着目した万能故障診断手続きを示し,
その複雑度を明らかにする.
- C診断可能なFPGAについて考察する.
- 本研究で得られた成果をまとめ,今後の課題について述べる.