マルチメディア通信に適したATMの特徴を活かし、これを無線通信に適用した ワイヤレスATMの開発が現在進められている。この技術は無線通信の最大のメ リットである移動性を確保しつつ、マルチメディア通信に要求される大容量伝 送を行うという次世代の通信技術である。
こうした技術を活かし「いつでも、どこでもマルチメディア」の実現を目指し た研究が行われている。その成果はPHSや携帯電話を用いた通信環境にすでに 現れ始めている。
一方、マルチメディア端末を移動通信環境に適用するには、端末の移動に対応 できるメカニズムが必要である。特にワイヤレスATMをインターネットでの移 動に適用させるための技術が必要である。そこで本研究では、既存ATM環境で 用いられているVLAN技術を応用し、端末の物理的な移動を論理的に隠蔽できる 方式を提案する。
また、この方式を用いた移動通信環境を実際に構築し、その有効性を検証する。 これにより、ワイヤレスATMを用いた次世代マルチメディア移動通信環境を実現できる。
発表はデモを交えて実際の動作を示す。