マルチホップネットワークGEMNETの性能評価

三木 茂生 (9551107)


将来のマルチメディアネットワークに適用できるような高速伝送を実現するために、 光波長多重技術(WDM)を用いたネットワークの利用が考えられている。 WDMを用いたネットワークの1つに、パケット交換によるマルチホップ網がある。 WDMを用いたマルチホップ網は、各ノードに備わっている 送/受信器の波長を調整することで、物理構成に関係なく、仮想的なトポロジー を持つマルチホッチ網になる。そこで、マルチホップ網で用いるトポロジーの 選択が重要になる。

本研究で扱うGEMNETは、今までに提案されたBMSNやShuffleNetのように、 ネットワークを構成できるノード数が限られたトポロジーではなく、 任意の送/受信器数と任意のノード数で構成可能で、極めて拡張性に 優れていることが示された。ただし、GEMNETの問題点として、各ノードが 他のノードに一様にパケットを送信する場合においても、各ノードの負荷 にばらつきが生じることが指摘されていた。

本研究では、詳しい特性がまだ明らかにされていないGEMNETにおいて、 各ノードが他のノードに一様にパケットを送信する場合の性能評価を行う。 そして、ネットワーク構成によって負荷のばらつきの大きさが異なることを示し、 シミュレーションによって、負荷のばらつきがスループット特性に与える影 響を明らかにする。そして、ノードの負荷のばらつきが小さいネットワーク 構成を利用することによって、任意のノード数で高いスループットが得られる ことを明らかにする。