本論文では、人間とコンピュータ間のコミュニケーションに近い という意味で、人間と人間とが電子媒体を通じてコミュニケーションを 行なう状況を考え、電子媒体における文章から、 コンピュータが自動的に感情を読みとる方法について検討した。 本研究では、感情のうちの一つとして「怒り」を扱っている。
まず、人間が感情を読みとる際に使う手がかりをコンピュータによる 自動判別に応用するため、人間に対してアンケート調査を行なう。 その結果に基づいて、人間がどのような文章に怒りが表されていると感じ、 どのような種類の手がかりを主に使うかを分析する。
次いで、コンピュータに怒りを自動判別させるため、 手がかりを機械的に抽出する方法と、判別のために用いる統計的 分類方法について説明する。 そして、コーパスを用いて実験を行ない、人間による判定結果と比較する。