実世界エージェントのマルチタスクプランニングによる作業支援環境の構築
松原 慶幸 (9551104)
ロボットと人間が混在する作業環境ではロボットに対する要求は非同期に発生する.
このため,作業要求の度にロボットの協調動作のためのプランニングを行なう
必要が生じる.本研究ではメディエータおよびウォッチャと呼ばれる二
種類のエージェントを
用いたマルチタスクプランニングの手法を提案し,それを用いて
異なる機能を持つ自律型ロボットを含む
作業支援環境を構築する.
本プランニング手法が想定する環境では,
人間からロボットへの要求(タスク)は環境全体を監視する
ウォッチャによって抽出される.
抽出されたタスクは,実行者すなわちロボット
への仲介機能を持つ
メディエータに渡される.
メディエータはタスクを受けとると,その時点から実行完了までの
各ロボットの動作を
シミュレートする.同時に,与えられたタスクをより詳細なものに
分解した上で,各ロボットに割り当て,プランを生成する.さらにメディエータは,
実行の際に起こる障害に対応しながら生成されたプランの実行をロボットに指示する.
実行が失敗した場合には,その時点から再プランニングおよび再実行を行なう.
さらに本研究では,提案するプランニング手法を異種の自律型ロボットが
人間と混在する環境に適応し,
人間から非同期に要求される作業のロボットによる
柔軟な協調実行が可能となることを報告する.