自己組織化マップを用いたバッチプロセスの異常検出

松田 豊 (9551101)


多くのバッチ反応プロセスにおいて異常対策が重要な課題である。そのため、 異常検出を観測データを使って自動的に行う方法が求められている。しかし、 実際のプロセスでは異常時のデータは少なく、正常時のデータが豊富に蓄積さ れていることが多い。正常データのみを用いる異常検出が現実的であるが、運 転ごとに条件が異なるために、正常範囲が広がりをもつ。 本研究では、正常データのパターンを自己組織化マッピングを用いて、2次元 の平面上にクラスタ化する。 観測可能なプロセス変数のデータごとにこの自己組織化マッピングを行う。 学習の結果得られる自己組織化マップにより、複 数の正常パターンに対するパターンマッチングを行って、異常検出を行う方法 を提案する。閾値に3σ限界を用いた異常検出と異常の検出率を比較し、自己 組織化マップを用いた異常検出の有効性を示した。 発表では、異常検出のための自己組織化マップの作成の手順と 閾値に3σ限界を用いた異常検出との比較結果を述べる。