情報統合のための構造化文書情報源のラッピング手法

古舘 丈裕 (9551097)


電子化された文書をネットワークを通して入手できる機会が増えるに つれて、それらを意味的に統合し共有したいという要求が高まってきている。 外部の情報源から得られる様々な形式の情報を統合的に扱えるシステムの 研究が盛んに行われており、その中のアプローチの一つとして メディエータ(mediator)とラッパー(wrapper)による環境が提案されている。

本研究では、構造化文書を格納した情報検索システムを情報源として 想定して、一般的な問合せ言語で与えられた問合せを個々の情報源が 実行できる検索式へ変換するラッパーを構築する手法について論じる。 共通のデータモデルとしてはオブジェクトデータベース標準ODMG-93 のオブジェクトモデルを想定し、問合せ言語OQLを用いるものとする。 メディエータにおけるスキーマと実際に格納されている構造化文書との 対応関係を明らかにし、両者のマッチングをとることで問合せを変換する アルゴリズムを提案する。また、情報源の問合せ能力や文書型定義の宣言的 な記述からラッパーを自動的に生成する手法を提案する。