経路MTUの効率の良い探索方法に関する研究について

長谷川 祐作 (9551087)


経路MTU探索(Path MTU Discovery)は、 インターネット上の任意の経路間の最大データ転送長を探索する機能であり、 次世代インターネットプロトコルのIPv6で利用が強く推奨されている。 しかし経路MTU探索は、 現在のインターネットプロトコルのIPv4ではオプションとして実装されたため 効率が悪く、結果として普及しなかった。 また、インターネット上の経路MTUは完全に把握されていない状況であり、 現在の探索方法が最適か分からない。

そこで本研究ではまず、現在の経路MTUの分布状況を調査し、 調査した経路の95\%以上が1500byteの経路MTUを持っていることを発見した。 その結果、経路が小規模のネットワークで閉じているかによって、 2つの異なる経路MTUの探索方式を使い分ける方式がよいという結論に達した。 この方式は、始点の計算機が終点の計算機のアドレスによってネットワークの 境界をきめる。 そして、経路MTUの各探索方法をIPv6上に実装し、 ネットワークモデルと実験によってどの探索方法が良いか評価する。