プラントオペレーションにおけるヒューマンモデリング

中山 慶彦 (9551080)


CRTオペレーションにおいては、監視操作パネルが重要なインタフェースとなる。 現在、監視操作パネルのユーザビリティテストは被験者(人間)にオペレーション を行ってもらうことによって実施しているが、同じパネルや異なるパネルに対し て同じ条件で比較評価することが難しい。本研究ではパネルの評価実験に際して 被験者に代わりうるヒューマンモデルを開発することを目的とする。

提案するモデルでは、外界から提示される情報の強調度に応じて情報の取捨選択 を行い、見落とし等のヒューマンエラーを実現する。また、認知した外界情報と 記述された知識を使ってオペレータの思考過程を模擬するメンタルモデルを生成 し、それに基づいてモデルは動作する。このメンタルモデルにより、保有する知 識が不足している時に見られる不可解な行動の模擬も可能である。

提案するヒューマンモデルの有効性を確認するため、モデルをWS上に実装し、運 転訓練用のボイラシミュレータの運転を行わせた。特にヒューマンモデル内に生 成されるメンタルモデルとその有効性を評価するため、異常を起こし、その異常 に対する対応を行わせる実験を行った。また、同じ異常に対する人間のオペレー タによる実験も行った。発表時には、これらの実験結果についても述べる。