拡張有限状態機械でモデル化されたプロトコルに対する試験系列生成の効率化

津森 靖 (9551069)


試験対象である実装システム(Implementation Under Test, IUT)が,与えられた通 信プロトコル仕様を満たしているかどうかを判定するための試験を,プロトコル適 合性試験(protocol conformance test)という.この試験を行なうために必要な試 験系列の生成は,従来より人手によって行なわれているが,これを自動化すること ができれば,試験の信頼性の向上および効率化にとって大きな役割を果たすことが できる.

本論文では,プロトコルモデルである拡張有限状態機械に対して,実用プロトコル の記述に十分な範囲で一定の制約をおく.そしてこの制約を満たす拡張有限状態機 械でモデル化されたプロトコルが与えられたとき,候補となる試験系列の実行可能 性判定を差分制約システムの求解問題に帰着することにより,試験系列生成を効率 よく行なう手法を提案する.また,IrDA Liteプロトコルに本手法を適用した結果 についても述べる.


Osamu Tsumori <osamu-t@is.aist-nara.ac.jp>
Last modified: Fri Feb 14 15:46:03 JST 1997