遠隔超音波画像診断におけるプローブ操作用ロボット

津久井 陽 (9551066)


ロボットを用いた衛星通信における 遠隔超音波画像診断システムを構築するためには、 ロボットの操作信号、ロボットの動作を伝える画像、超音波動 画像を 衛星回線を使用し通信する必要がある。 しかし、衛星通信における画像通信には 電波の伝搬時間、画像の圧縮、展開により 遅延が生じてしまい、 遅延が生じた画像を見ながらでのロボット操作は 非常に困難である。 そこで本研究ではロボット操作の支援として、 CGナビゲーションシステム を構築した。 CGナビゲーションシステムは、操縦者と遅延がほとんどないロ ボットのCGと 遅延したロボットの動作を伝える画像とを合成し、 遅延した画像の代りにCGを見ながら操作することで、遅延環境 でも良好なロボット操作を 行えるものである。 CGナビゲーションを適用することで、適用前に比べロボット操 作にかかる時間を約半分に短縮することができた。 実際にこのCGナビゲーションシステムを使用し、 衛星回線を通して遠隔でプローブ操作を行い、 心臓の超音波画像を得ることができた。 本研究により遠隔医療におけるロボットの有効性を確認でき、 今後、他の医療処置へのロボット応用が考えられる。