組合せテスト生成可能な拡張部分スキャン設計に関する研究

高崎 智也 (9551057)


近年の半導体技術の急速な進歩に伴うVLSIの普及により, その信頼性は非常に重要な問題である. 信頼性の高い,故障のないVLSIを設計,製造するためには テストが不可欠である.

これまで組合せ回路については完全なテスト効率を得る 自動テスト生成法が実用化されているが,順序回路では 回路規模が大きくなればテスト系列の生成は非常に困難 な問題である. これに対し,順序回路中の全てのフリップフロップを スキャンフリップフロップに置き換える 完全スキャン設計法やその一部のフリップフロップを スキャンフリップフロップに置き換える部分スキャン 設計法が提案されている.

本論文では,テスト生成容易な順序回路として組合せ テスト生成複雑度でテスト生成可能な内部平衡構造 順序回路に変換する部分スキャン設計の手法を提案する. さらに本論文では,フリップフロップに限らず順序回路内の 信号線をバイパスフリップフロップ (スキャンとバイパスの機能を有するフリップフロップ)に 置き換え,内部平衡構造に変換する拡張部分スキャン設計の 手法を提案する. この拡張部分スキャン設計において,スキャン化による 面積オーバーヘッドが最小となるようにフリップフロップや 信号線を選択する方法を述べる. また,この拡張部分スキャン設計された回路のテスト生成 問題を考察する. 最後に提案した部分スキャン設計法および拡張部分スキャン 設計法の有効性をベンチマーク回路に対する実験結果により示す.