オンチップマルチプロセッシングアーキテクチャ(OCMP)に おけるメモリシステム

佐野 健 (9551045)


集積回路技術の発展を背景に,チップの集積度は年々増大している.この傾向 は今後も続くと思われる.我々は,このような集積度の増加をにらみ,1チッ プ上に複数プロセッサを集積してプロセッサ間の通信遅延を削減することによ り,細/中粒度並列処理を実現する「オンチップマルチプロセッシングアーキ テクチャ(OCMP)」を 提案している.

OCMPでは,プロセッサ間の同期および通信にチップ上の共有キャッシュを用い ることにより,高速なプロセッサ間の同期/通信を可能にしている.これまで のOCMPの評価では,主に命令レベルで用意している並列処理機構の性能に関す るものであり,キャッシュメモリおよび主記憶とのバスインターフェイスを考 慮していなかった.

そこで,本研究ではキャッシュ機構を含めたメモリアクセスのコストも考慮し た評価を行なう.具体的には,以下の項目に着目し評価を行なう.

  1. キャッシュブロックのマッピング方式
  2. 共有キャッシュのポート数
  3. メモリアクセスコスト

本発表では,まずOCMPの構成および動作例を述べた後,本アーキテクチャのキャッ シュメモリ機構について述べる.その後,前述の項目に着目した評価を行い, 最後に今後の課題を述べる.