実世界エージェントの協調における人間-ロボット間のコミュニケーション

小林 展英 (9551037)


本研究は、誰でも思うままに好みの場所でロボットが使いこなせるような、 ``人間に優しい環境''を構築することを目的としている。 この環境を実現するためには、 人間とロボットが共存する環境において、人間-ロボット間での人間に負担をかけないコミュニケーションを実現する必要がある。 そこで本研究では、 上記の問題を、ロボットと人間を含めた実世界マルチエージェント協調環境により解決する。 人間--ロボット間のコミュニケーションには、 インタフェース用の計算機を用いるのが一般的であるが、 操作方法を知らない人間にはコミュニケーションが不可能といった問題が発生する。 本研究では、ロボットに人間の身振りを理解する機能を持たせ、 端末を必要としない人間--ロボット間のコミュニケーションを実現する。 また、人間とのコミュニケーションにより変化する自己状態に応じて、 適切な行動を行なう機能を持たせることにより、コミュニケーションの円滑化を 図る。 さらにロボットから観察不可能な場所の人間とのコミュニケーションを可能にするため、ウォッチャーと呼ばれるエージェントを環境へ導入する。 ウォッチャーは、環境中の人間の動きを観察することにより、 人間の意図の獲得を行なう。これにより、場所に制限されない遍在的な人間--環境間のコミュニケーションが実現できる。