HIPPI-ATMネットワークシステムの設計と性能評価

後藤 博喜 (9551036)


本発表では、ANSIで規定しているATM網を介したHIPPI通信、すなわち、 HIPPI-ATM通信の性能に関し、シミュレーション、および伝送実験を用いて評 価した結果について報告する。HIPPIは本来ポイント・ツー・ポイント通信の ためのインターフェースであるが、ATM網を介すことによって可能となった、 比較的長いホスト間距離における多対一および多対多の通信形態によるスルー プット特性について明らかにする。

多対一の通信形態においては、中間ノードのバッファサイズ、ホスト間距離、 ソース数がスループットに与える影響について着目する。さらにTCP over ATM 通信のシミュレーション結果との比較を行い、HIPPI-ATM通信の利点について 明らかにする。

また、多対多の通信形態においては、HIPPIコネクション数に応じてフロー制 御を行う二つの方式として、ピークレート制御方式とコネクション制御方式を 提案する。これらの性能を比較するため、中間ノードのバッファサイズ、ホス ト間距離、ソース数がスループットと遅延に与える影響について着目する。以 上の結果により、上記のフロー制御を用いることによってHIPPIコネクション を多重化することで良好なリンク利用率が得られることを示す。