プロトコル学習による身振りの実時間画像認識

桐島 俊之 (9551030)


VR環境においてはユーザの位置・姿勢・動作に関する身振り情報が反映されることが 重要であり,従来,これらの情報はデータグローブやポヒマスセンサなどの装着型 身振りインタフェースにより獲得されてきた.装着型身振りインタフェースの場合, ユーザに負担をかけずに全身の身振り情報を獲得することが困難であることに加えて, それらのシステムを不特定多数のユーザが利用する場面、あるいは複数のユーザが 同時に利用する場面を想定すると、装置自体の購入コストの増大や衛生面での問題を 回避することができない問題点がある.

そこで本研究では,身振り情報を認識するための画像処理アルゴリズムを新たに考案 することにより上記問題点を解決し,インタフェースの透明化を可能とする非接触型 身振りインタフェースを提案する. 本論文では,身振り認識固有の問題として存在する身振りプロトコルに言及するとと もに,認識系を身振りプロトコルに適応させるために多注視点身振り認識法を新たに 提案する.

評価実験の結果,多注視点身振り認識法により,身振りプロトコルの学習が可能と なることに加えて,専用ハードウェアなしでも実時間での身振り認識処理が可能で あり,さらに実時間ベースで身振り情報を獲得できることが分かった.

本発表では、多注視点身振り認識法における具体的な画像処理手法および 評価実験の結果について述べるとともに、提案手法の有効性を示すビデオを紹介する。