NAIST-IS-MT9551027: Nobuhisa Kisikawa

手描きスケッチを利用したインタフェースを持つ3次元建築CADシステム

岸川 晋久 (9551027)


発表の手順

内容梗概

建築設計分野においてもコンピュータによる設計支援(CAD)システムの利用が 一般的になりつつあるが,従来のCADが対象としている設計図面のデータ化や 清書といった目的以外に,設計工程の初期段階におけるデザイン推敲の手段 として,CADシステムへの期待が高まってきている.

本研究では,3次元CADシステムを使用し,従来,建築家がデザイン検討の 一手段として用いてきたボリューム模型に相当する3次元のモデルをコン ピュータを使用して作成することで,建築家が手元で簡単にデザイン推敲 作業を行なえると考えた. しかしながら,既存のCADシステムは操作が複雑すぎるため.建築家が デザイン検討作業を行いながら操作することが難しくなっている. そこで,簡便で直観的な操作インタフェースを持つCADシステムの構築が 必要となってきた.

以上の背景より,本研究では建築家のデザインプロセスを尊重する方針に基 づき,建築家のスケッチ描画プロセスを3次元CADシステムに導入することと した.これは,スケッチを描くという行為が,建築家のデザインに対する 思考を妨げないからである. そして,このプロセスによって生成されるスケッチ画像をプリミティブ (基本立体図形)の表面にテキスチャマッピングすることで簡易モデルを作成 し,この簡易モデルを活用した,直観的で簡便な操作による3次元モデリング 手法を提案する.

また,提案手法を実装したシステムを使用して評価実験を行い,望ましい インタフェースの方向性と本研究の妥当性について検証した. その結果,提案手法による3次元モデルの生成作業は,建築家のデザイン 検討工程において十分に利用価値があるという結論を得た.

実装システムの画面写真