質感表現のための物体面の光沢計測

河内 洋介 (9551024)


コンピュータグラフィックス(CG)制作において光沢などの質感を忠実に合成表 示するためには、 物体面の表面反射特性を正確に再現する必要がある。 従来、これらのデータは実物体に即した設定が行なわれることは少なく、 生成される画像は光沢質感に関して現実感に欠けていた。

本研究では実物体の表面反射特性を画像処理により計測する方法を提案する。 物体あるいは光源を微小角ずつ回転させながら多数の方向から反射光を観測し、 得られた輝度データに反射率モデルを当てはめ、最小2乗法を適用することに よって反射率パラメータを推定する。 反射率パラメータの推定は観測可能な物体面上のすべての点について行うので、 より自然な三次元物体表示が実現できる。 実験では円柱形の実物体を対象に計測を行ない、得られた反射 率パラメータをもとに合成されたCG画像が提示されている。