回路疑似変換を用いた順序回路のテスト生成アルゴリズムに関する研究

大竹 哲史 (9551017)


本発表では,テスト生成時間を短縮する1つの方法として,回路疑似変換を用 いた順序回路のテスト生成法とテスト実行法を提案する. 回路疑似変換とは,テスト生成のためだけに,与えられた回路を疑似的(非物 理的)にテスト生成の容易な別の回路に変更する変換である.

組合せテスト生成複雑度でテスト生成可能な順序回路では,その順序回路のテ スト生成問題は,フリップフロップを信号線に置き換えた(組合せ変換した)組 合せ回路におけるテスト生成問題に帰着できる. 本発表では,この性質を一般の順序回路に拡張する. 具体的には,与えられた順序回路において,組合せテスト生成複雑度でテスト 生成可能な順序回路である平衡構造を有する部分回路を抽出し,その部分回路 を組合せ変換した順序回路についてテスト生成を行い,得られたテスト系列を 元の順序回路のテスト系列に戻すというテスト生成法を提案する. この手法では,組合せ変換によってフリップフロップ数が減少するので,元の 順序回路よりテスト生成時間の短縮が期待できる. 提案する手法の有効性をISCAS'89ベンチマーク回路による実験によって評価す る.