ソフトウェア開発行動の分析における開発動作識別を目的として動作の特徴を抽出
・検索する方法の提案
大澤 文男 (9551015)
ソフトウェアの品質や生産性に影響する要因を明らかにするなどために,
ソフトウェア開発者の行動を観測,分析する研究が行われており,
開発者の行動を記録したビデオ映像やキーストロークなどの
データが収集されている.
キーストロークデータを用いると、それを分析することにより
キー入力中の開発者の行動を知ることができる.
しかし、キー入力を伴わない行動については、分析者が
ビデオデータを繰り返し見る必要があるため,
多大な時間がかかるという問題が指摘されている.
本研究では,
開発者の動きの特徴を抽出することにより自動的に検索する方法を提案する.
本手法では、文字、飛行機、機械部品などの形状を識別する方法として用いら
れているフーリエ記述子を適用する。
本研究で提案する手法は、開発者の運動情報を、フーリエ記述子を用いて
与えられた動きに近い開発者の動きが現れた時刻を検索する方法である。
実験による本方法の評価の結果、
開発者の特徴的な動きが現れた時刻を、
一定以下の誤り率の元で自動的に特定することができた。
このことから、本方法を用いた場合に、分析に要する時間を短縮できることを
示した。