従来の形状計測の手法では複雑な形状をした物体では不可視領域(オクルージョ ン)が生じてしまう。そこで現在用いられている広計測範囲のレンジファイン ダの代わりに、狭計測範囲だが移動自由度の高い小型レンジファインダを用い ることにより、従来の手法ではオクルージョンになってしまうような領域の計 測を可能とし、オクルージョンの問題も解決させる。しかし、狭計測範囲の ため、全体の形状データを得るためには、多方向から多数回計測しなければならない。 また、CG(コンピュータ・グラフィックス)表示を行うためには、これらの複 数のデータを統合し、連続面とした三次元モデル(サーフェスモデル)を構築 する必要がある。
本稿では、この小型レンジファインダから得られる複数のレンジデータの統合 を行い、サーフェスモデルを構築した。実験の結果、本手法を用いることによ り、多視点三次元計測により得られたレンジデータからサーフェスモデルを構 築することが十分可能であることが確認できた。