音声認識のためのマイクロホンアレー設計尺度の研究
井上 雅晶 (9551007)
自然なマンマシンインタフェースを実現する際の1つの課題は、ハンズフリー
の音声認識の問題である。しかし、実環境でハンズフリーを実現する際には、
雑音や部屋の伝達特性の影響による認識精度の劣化が問題となる。本研究では、
この問題に対処しハンズフリーを実現するために、マイクロホンアレーを用い
た音声認識システムを検討している。音声認識システムにマイクロホンアレー
を適用する際にはマイクロホン素子の配置やフィルタ係数などのパラメータが
認識性能に大きく影響を与える。これらのパラメータを決定するために、認識
性能を反映する尺度が必要になる。
本発表では、直線型等間隔、オクターブ間隔などの種々の配置のマイクロホン
アレーを用いた場合の音声認識実験を行ない、音声認識に適したマイクロホン
アレーの設計に関する評価尺度について検討を行なった結果を発表する。よく
用いられる指向性やSDRなどの評価尺度では認識性能を十分に反映することが
できないことを示し、そして、これに代わる評価尺度としてNDSRを考案し、そ
の有効性を示した。