空間関連を用いた多人数参加型3次元仮想空間のコミュニケーション支援
石川 正敏 (9551005)
多人数参加型3次元仮想空間では,3DCGを用いた様々な視覚的効果により,
従来のチャットシステムに比べ臨場感のある情報交換が可能である.
インターネット上の多人数参加型3次元仮想空間システムは,VRMLを用いて
実装されている.
本研究では,多人数参加型3次元仮想空間の利用例として,巨大な空間に極
めて多くの利用者が参加する仮想都市を考える.
このような大規模空間を従来の空間管理法で管理すると,利用者はすべての
情報を共有しなければならず,情報の混乱などの問題が生じる.
従来,仮想空間からの情報に対してシステムが自動的に優先度を決定する手法
が用いられているが,利用者が優先度を指定する手法も必要であると考えられる.
本研究では,利用者による優先度指定を支援するため地理情報システム等で用
いられるオブジェクト間における空間関連を応用する.しかし,地理情報は2次
元オブジェクトを対象にしているのに対し,本研究の仮想都市は
3次元オブジェクトで構成されているため,従来の空間関連だけでは十分でない.
従って本研究では,3次元空間におけるオブジェクトの空間表現および,
空間関連について提案する.また,仮想都市内の情報を管理するための空間
データベースについて考察する.