水中ロボットの身振りによる遠隔操作プロジェクト報告

王 家寧(9451014)


近年、スキューバダイビングを楽しむ人の数が増えつつある。しかし、これに は充分な体力や知識が要求されるため、適切な訓練が必要である。一方、近年、 バーチャルリアリティの研究が進められ、建築、機械設計、医療など様々な分 野で応用されている。

本研究ではバーチャルリアリティ技術を利用し、人間の身振りを入力とする水 中ロボットの遠隔操作方法を提案し、水中ロボットを介して、誰でも手軽に擬 似潜水体験ができるシステムを構築した。両手の平に取り付けた磁気位置計測 センサの位置・方向の情報から、実際に被験者がど の方向へどのぐらいの勢いで進もうとしているかの認識を行なった。認識結果 に従い、水中ロボットのモータの駆動電圧を調整し、身振りによる遠隔操作を 実現した。本手法では、被験者の泳ぎ方の上手、下手を水中ロボットの動きに 反映させた。このシステムによって、被験者は水中ロボットから得られた水中 画像を見ながら、進みたい方向へ泳ぐ動作をすることで、疑似潜水体験が可能 になった。また、操作実験で、様々な身振りに対する水中ロボットの動きを評 価した結果、被験者の思い通りに動作することを確認できた。

本システムを用いることで、人間が行くことが不可能な深海での潜水体験が可 能になった。また、水族館のようなアミューズメント施設などにおいて、観客 に海という大自然を体験してもらうアミューズメント装置として商品化される ことを期待する。