題目

初等中等教育におけるICTを活用した実習を行うための画面操作用インタフェースに関する研究

名前

狹間 浩史

初等中等教育のICTを活用した実習では,教員はコンピュータ等の操作に集中しなければならない一方で,生徒の席に移動することが難しい.その結果,従来の実習より生徒との,コミュニケーションを行う機会が減少し,双方向で意見,質問が交わされる実習ができなくなる問題が生じる.結果として,教員は実習中の生徒の様子や実習の理解度の把握が困難になり,実習の進行に支障をきたすことになる. また,実習では危険を伴う作業もあり,実習を行う際,またはその実習の説明をする時には,両手を使用して行うことが基本とされる.しかし,実習中において,コンピュータを使った電子資料による実習内容の説明から実物を使った実習の説明に切り替わる際,両手を自由に使えるようにするために,手に持っているインタフェース機器を一旦どこかに置く必要がある.加えて,インタフェース機器の置き忘れが生じることもあり,実習の進行に支障をきたすケースが多い.以上の問題を受けて,手首に装着可能な「画面操作用インタフェース(第1世代)」を提案し,設計及び実装を行い,実際の実習での使用を試みた.その結果,従来の実習よりも教員と生徒間でコミュニケーションを行うことが増えて,実習の進行に効果があり,有効性があることを示した.

また,実習では説明時間が長くなることが多く,握力の消耗が大きく,インタフェース機器を持ち続けて使用することによって,常にインタフェース機器を意識することになり,肉体的,精神的においても疲労感を伴う.これら問題に対して,片手に装着可能な「画面操作用インタフェース(第2世代)」を設計及び実装した.長時間使用した際にも,他のインタフェースより実習において,疲労感を軽減できる可能性が高いことがわかっている.しかし,感覚のずれによる違和感から,疲労感を覚えることがあるため,「ナチュラルアームアルゴリズム」を用いたプログラム等の改善により,「画面操作用インタフェース(第3世代)」を設計及び実装した.

さらに,「画面操作用インタフェース(第1世代)」,「画面操作用インタフェース(第2世代)」と指輪マウスを用いて,現場の教員による模擬実習を実際に行い,模擬実習終了後の教員によるアンケートの評価結果を基に,「画面操作用インタフェース(第2世代)」と指輪マウスが与える実習への効果やその有効性について検証を行った.その結果,ロボット制御,ロボット製作およびロボットプログラミング演習などの実習内容において,長時間使用した際も,「画面操作用インタフェース」は,他のインタフェースより,疲労感を軽減できる可能性が高いことがわかった.また,「画面操作用インタフェース(第3世代)」と指輪マウスを用いて,現場の教員による模擬実習を実際に行い,模擬実習終了後の教員によるアンケートを行った. これらの評価結果から,「画面操作用インタフェース」は,従来のインタフェース装置よりも疲労感が軽減し,実習における有効性が高いことを示した.

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