ゼミナールI講演

日時(Date): 平成28年4月20日(水)3限 (13:30 -- 15:00)
Wed., Apr. 20th, 2016 (3rd Period, 13:30 -- 15:00)
場所(Location): L1
司会(Chair): 荒川豊 (Yutaka Arakawa)

講演者(Presenter): 中山功一 (佐賀大学)
Koichi Nakayama (Saga University)
題目(Title): 臓器再生を目指したバイオ3Dプリンタの開発について
概要(Abstract): 山中先生のノーベル賞受賞で再び脚光を集めている再生医療の研究の目標は大雑把に分けると、細胞をどこから確保するかという細胞ソースの分野と、得られた細胞集団をどのように移植するかを研究する細胞プロセッシングの分野に大別されます。
ES細胞やiPS細胞の研究が世間の注目を集めている一方で、細胞移植の手法も様々なアプローチによって開発・実現され一部は臨床応用が行われているホットな分野であると言え、それらの究極の目標として、慢性的に臓器不足に悩む脳死移植にとって代わり、細胞から自分自身の臓器を人工的に作るという事が世界中の研究者の究極の目標とされています。
我々は骨折の治療から着想を得て細胞だけで厚みを持った立体構造体を作ることに成功しました。この手法を発展させ、複数種類の細胞をLEGOのように任意のXYZの位置に配置した立体的な細胞構造体を作る手法を確立、画像認識を組み込んだロボットによる自動化にも成功しバイオ3Dプリンタと名づけました。
関節軟骨、半月板、血管などが当面の治療ターゲットになると考えていますが、肝臓系の細胞や拍動する心筋細胞などでも立体構造体を作ることに成功しており、他の臓器再生へも応用できるのではないかと考えています。

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