ゼミナール発表

日時: 10月17日(Mon)3限


会場: L1

司会: 高橋 弘喜
上野 和哉 M 言語科学 鹿野 清宏 Nick Cambell 松本 裕治 柏岡 秀紀
発表題目:非タスク指向型対話における盛り上がりの分析
発表概要:特定のタスクを達成することが目的であるタスク指向型対話に比べ,非タスク指向型対話においては,社交的な相互交流,とりわけ対話の盛り上がりの体系化が重要となる.本研究では,人間同士のコミュニケーション支援を目的とした,非タスク指向型対話における盛り上がり度合いの自動認識システムの開発に先立ち,非タスク指向型対話における対話の盛り上がりが,発話および対話全体にどのような影響を与えるか分析を行う.本発表では,その分析結果について報告する.
 
豊川 弘樹 M 言語科学 鹿野 清宏 Nick Cambell 松本 裕治 柏岡 秀紀
発表題目:意図を考慮した対話型音声合成手法の提案
発表概要:従来音声合成はパラ言語情報を含まなかったが,ISO24617-2で提唱されている対 話行為記述言語を音声合成の入力テキストに付加することで,発話者の意図に よって変化する韻律予測を可能とする対話型音声合成手法を提案する。
 
西村 一馬 M 音情報処理学 鹿野 清宏 松本 裕治 猿渡 洋 川波 弘道
発表題目:音声情報案内システムにおける統計的機械翻訳の手法を用いた応答文生成手法の検討
発表概要:音声情報案内システム「たけまるくん」は用例ベース方式で質問応答データベースを参照して質問応答を行うシステムである.この方式のシステムの問題点として,想定外の質問文が入力された際に適切な答を返すことができないこと,事前にデータベースに登録された応答文を出力するため柔軟な表現で応答をすることができないことが挙げられる.用例ベース方式においてはデータベースの内容を拡充させることで上記の問題点の緩和を図るが,データベースの追加作業は人的コストがかかり,自動的に質問文から応答文を生成する方法が望まれる.そこで,統計的機械翻訳の手法を応用した応答文生成手法を提案した.本発表では,提案手法による応答文の生成実験を行った結果とその有効性について展望を報告をする.
 

会場: L2

司会: 浅原 正幸
榎本 真俊 D インターネット工学 山口 英 岡田 実 安本 慶一 門林 雄基
発表題目:大規模実験環境における験環境構築および実験実施方法に関する研究
発表概要: インターネット上で検証や再現が困難な実験を行う場合にテストベッドと呼ばれる大規模実験環境での実験が盛んに行われている。テストベッドは、単一または複数の施設内に数百から千台程度のPCクラスタ環境を保持し、それらPCクラスタをネットワークで接続されている。しかし、インターネットの規模に比べればテストベッドで構築可能な実験規模は小さい。そこで、近年仮想化技術を用いることにより規模を拡大する方法や、テストベッドフェデレーションを行うことによりより大きな実験環境を構築する手法が研究されている。一方、テストベッドでは単一の実験の規模を拡大するだけではなく、実験パラメータの異なる複数の実験を同時並行に行う場合も考えられる。そこで、本発表では、テストベッドで実験を行う際に規模拡大および並列実験を行う手法を研究することで、テストベッドでの環境構築や実験の実施手法について発表を行う。
 
渡部 進一 D ネットワークシステム学 岡田 実 杉本 謙二 安本 慶一
発表題目:長波直接拡散スペクトル拡散信号とループアンテナアレイを用いた無線タグの簡易存在領域判定システム
発表概要:現在,位置認識技術を用いたシステムが注目され,位置認識の精度を高める研究が盛んに行われている.特に屋外においては GPS を用いたサービスが普及しており,今後は屋内におけるより詳細な位置情報を利用したサービスも期待される.屋内における位置情報認識技術は位置計測装置を複数必要とし,それらの演算量,詳細な検出ができない,といった問題から標準的な技術が確立していない.そこで,本研究では一つの計測装置を用いるだけの簡易検出手法を考案する.小型受信機が送信機に対して 2 つの領域のどちら側に存在するかを検出することを目的として,長波信号を直接拡散スペクトル拡散 (Direct-Sequence Spread Spectrum;DS/SS) 変調した信号を用いた送受信機のアンテナ構成を提案する.送信機のアンテナ構成により送信機に対する 2 つの領域に異なる向きの磁界を発生させ,DS/SS 信号を用いることによりそれらの磁界の向きを検出可能とする.特性関数を用いた理論解析を行うことにより,位置判定誤り率を数式から計算可能とし,パラメータの変化に対応可能とする.さらに,シミュレータとの比較を行い,理論解析との関係を示す.また,受信機の存在領域が送信機を中心に横方向に 2m,奥方向に 3mの範囲で判定可能であることを数値例により示す.
 
亀山 博紀 M ネットワークシステム学 岡田 実 杉本 謙二 安本 慶一
発表題目:ESPARアンテナを用いた車載向け地上デジタルTV放送受信機の提案
発表概要:地上デジタルTV放送の車載受信機では,自動車に取り付けた複数のアンテナによって受信した信号をSNR(信号雑音比)が最大となるように合成を行うダイバーシチという技術が用いられている.この技術を用いることによって高い受信性能を実現しているが,単一のアンテナに比べてアンテナの素子数分の信号処理回路が必要となるため,受信機の構成が複雑となり,消費電力が増大してしまう.そこで,本研究では既存の車載受信機の受信性能と同等で,なおかつ受信機構成を簡略化し消費電力を抑える受信機を提案する.