ゼミナール発表

日時: 09月30日(Fri)2限


会場: L1

司会: 山口 明彦
澤野 堅太 M 知能システム制御 杉本 謙二 小笠原 司 平田 健太郎 小木曽 公尚
発表題目:ヒステリシスを考慮した拮抗型人工筋モデルに関する研究
発表概要::近年,福祉機器やロボットの研究開発が活発に行われている.それらのアクチュエータの一つにMcKibben型空気圧ゴム人工筋がある.人工筋は柔軟かつ単位重量当たりの出力が大きいため,機器の安全性の向上や軽量化が期待されており,機器のジョイントに複数本の人工筋を拮抗するように配置して用いられている.一方で,人工筋は非線形性やヒステリシスといった特性も持っている.そのため,従来は線形化やヒステリシス現象を無視した近似モデルが用いられてきたが,誤差の原因や近似が成り立つ状況のみにでしか成り立たない恐れがあった.よって,現象を忠実に表わすモデルが必要だと考えらえる. そこで本研究は,拮抗型人工筋モデルを対象にハイブリッドモデルによって現象を忠実に表現したモデルを提案することを目的とする.拮抗型人工筋モデルの導出には,ヒステリシスを表現した単一の人工筋のハイブリッドモデルを用いる.しかし,ハイブリッドモデルに含まれるパラメータには,拮抗型人工筋モデルにする上で拮抗する人工筋の張力に依存関係を持つものがある.今回は,問題となる依存関係をもつパラメータの考察について述べる.
 
高田 宏明 M 知能システム制御 杉本 謙二 小笠原 司 平田 健太郎 松原 崇充
発表題目:ロボットダイナミクス学習における共変量シフトとその適応
発表概要:ロボットアームを最適制御や計算トルク法などのモデルベース手法を用いることにより,コンプライアンス性が高 く,エネルギー消費の少ない制御を達成することができる.しかし,一般に剛体リンク系に基づくロボットアームのモデル化では,モデル化誤差の問題があり,また,剛体リンク系を仮定しない,ブラックボックス的なシステム同定法では非現実的なデータ数が必要となり,正確なモデ ルを得ることは難しい.これらの誤差は,ロボット制御性能の低下に直結する. そこで,本研究では,ロボットダイナミクス同定と制御の間にある共変量シフトという現象に着目したロボットダ イナミクスの学習・適応法を提案する.提案手法を実機に実装することで,モデル同定に要するデータ数が少なく,かつ,制御性能の良いロボットダイナミクスを得ることが期待できる.本発表では提案手法の概要と簡単なシミュレーション結果について示し,最後に今後の予定につ いて述べる.
 
高橋 健太郎 M 知能システム制御 杉本 謙二 小笠原 司 平田 健太郎
発表題目:"リセット付き繰り返し制御系の安定解析"
発表概要:繰り返し制御は, 周期的な目標追従や周期的外乱の除去に対して有効な手法として知られている.しかし周期的な目標軌道が環境に依存しているような問題では,外乱の影響を受けると時間関数としての目標軌道と望ましい軌道との間にずれが生じてしまう.本発表では,車両の走行システムを例に挙げてこの問題点を示し,繰り返し制御系に対して切り替え条件を含めることでこの問題に対処可能であることを示す. 一方, 切り替え条件を含んだ繰り返し制御系には通常の繰り返し制御系の安定解析を用いることができない. 先行研究では, 切替を含む遅延フィードバック制御系の安定解析を, 関数空間上の状態遷移作用素のスペクトル計算によっておこなっている. 同手法を繰り返し制御の場合に拡張する際の問題点とそれに対する検討状況について述べる.
 
水井 俊文 M 知能システム制御 杉本 謙二 小笠原 司 平田 健太郎
発表題目:リアクションホイールを用いた二輪車の安定化
発表概要:近年,環境および健康に対する意識の高まりから自転車がより注目 されている. その一方で, 自転車による接触・転倒といった事故の割合 も全体の交通事故数に対して増加傾向にある. 事故原因の多くを占めて いるのが, 高齢者による運転中の, 特に街中での, ふらつきである. この背景には,低速域で不安定となる二輪特有の物理特性が関わっている. そこで,リアクションホイールを用いた二輪車の安定化を検討する. リアクションホイールは,元々人工衛星などの姿勢制御に用いられており, 反トルクを直接発生することができる. そのため, ステアリング系に 物理的な機構を追加することなく, アドオンとして実装が可能, という 利点がある.その方式はゼロモーメンタム方式とバイアスモーメンタム方式の 二種類に大別される.これらの方式を効果的に使い分けることによって, 二輪車の安定した走行を実現する.本発表では,それぞれの方式についての 動特性を説明し,実際にリアクションホイールを利用することを想定した 定量的な検討をおこなう.また検討結果より考えられる今後の展開について述べる.
 

会場: L2

司会:

会場: L3

司会: