ゼミナール発表

日時: 09月29日(Thu)1限


会場: L1

司会: 渡辺 一帆
喜多 功次 M 知能システム制御 杉本 謙二 池田 和司 平田 健太郎 小木曽 公尚
発表題目:ゲーム理論を用いた複数の楕円体による最大出力許容集合の近似
発表概要:実際の制御システムにはモータの定格電圧や回転角度等の拘束条件が存在する. 拘束条件を満たすかどうかを確認する有効なツールとして, 最大出力許容集合がある. しかし, 想定される全ての参照値に対して最大出力許容集合を計算することは困難であるため, 参照値方向にパラメータ化された最大出力許容集合に対して近似を行う必要がある. 線形システムにおいて最大出力許容集合は凸であるため, この問題は凸集合の近似問題に帰着して考えることができる. 本研究では複数の楕円体を用いて最大出力許容集合の近似を行い, 楕円体の配置をゲーム理論を用いて効果的に配置した. 具体的には, 各楕円体をプレイヤーとし, 楕円体の体積が大きくなるようにゲームを行い, ゲーム後の楕円体の配置がナッシュ均衡になることを確認した. 今回の発表では提案手法の有効性を数値例をあげて説明するともに, 今後の課題について述べる.
 
桑村 光男 M 知能システム制御 杉本 謙二 池田 和司 平田 健太郎 松原 崇充
発表題目:モデル化誤差を含む多数のシミュレータによる実ロボットの運動スキル学習
発表概要:近年,災害現場や医療介護分野においてロボットの活躍が注目されている.周囲の環境に対してロボット自身が柔軟な行動を取るように学習させる手法として強化学習がある.この強化学習では,ロボットが試行錯誤的に学習を行うことで目的の運動スキルを獲得することができるが,一般的に膨大な学習施行回数が要求されるという問題点を持っている.そこで本研究では,シミュレータを活用した学習方法を提案することで,この問題点の解決を図る.具体的には,ロボットと,そのロボットを模したモデル化誤差を含む多数のシミュレータを用意し,多数のシミュレータによる学習結果を利用することで全シミュレータ及び実機に対して有効な政策の更新を行っていく.本発表では,概要,シミュレーション実験結果及び今後の課題について述べる.
 
広谷 拓也 M 知能システム制御 杉本 謙二 池田 和司 平田 健太郎
発表題目:FIR近似の学習則を射影した独立成分分析と制御工学への応用
発表概要:近年, 統計的独立性に基づいた独立成分分析に関する研究が活発に行われている. この手法は, 互いに独立な複数の信号が, 何らかの混合を経た信号を観測し, その観測信号のみから源信号を復元する手法である. 特に, 畳み込みを伴った混合問題の場合は, BSD(Blind Source Deconvolution)と呼ばれ, ダイナミカルシステムを扱うことの多い制御の分野でも応用研究が行われている. 本発表では, これまでBSD問題で一般的に利用されていたFIR近似による解法の問題点を, 学習則の射影により改善する手法を提案し, シミュレーション結果から提案手法の有効性を示す. さらに, 今後の方針として, 提案手法を用いてブラインドシステム同定を行い, その結果に基づく外乱抑制制御実験の概要を説明する.
 
藤井 裕大 M 知能システム制御 杉本 謙二 池田 和司 野田 賢
発表題目:連続有限時間整定制御則に対する整定時間設計法
発表概要:近年,連続時間有限時間整定制御が盛んに研究されている.連続時間有限時間整定制御は,高い外乱除去特性をもち,有限時間でピッタリと目標状態に到達する制御法である.このような優れた制御性能をもつ制御法であるが,所望の整定時間を保証する制御則設計が実現できていない.そのため,制御対象を早い整定時間で制御することが難しい.そこで,本研究では所望の整定時間で整定する入力の設計方法を提案する.提案法は,既存の時不変連続状態フィードバック制御則に適用でき,整定時間を等式条件で保証する.数値シミュレーションにより,提案法の有効性を示す.
 

会場: L2

司会:

会場: L3

司会: