ゼミナール発表

日時: 09月28日(Wed)3限


会場: L1

司会: 生命機能計測学助教(変更済み)
福井 善朗 D 数理情報学 池田 和司 杉本 謙二 竹之内 高志 中村 文一(東京理大)
発表題目:二輪車両の障害物回避制御
発表概要:
非可縮多様体上で定義されたアフィンシステムは,無人飛行体の障害物回避制御・宇宙空間における剛体の制御など,様々なアプリケーションを持つ重要なシステムである. このシステムは連続な状態フィードバックでは目標集合を安定化できないことが知られており,不連続か,時変な制御が必要とされている.
本研究では,目標集合を安定化するための微分不可能な制御Lyapunov関数の設計法と,制御Lyapunov関数を使った不連続な制御則の設計法を提案する.
提案法する制御は,解析的な大域的状態フィードバック則であり,迷路のように複雑に入り組んだ空間上のシステムに対しても目標地点への到達が保証された制御を設計することができる. これは,震災地での被災者の探索,民生・軍事用途としての監視・パトロールなどを行う移動体の基礎技術として有用である.
 
布江田 友理 D 生命機能計測学 湊 小太郎 杉本 謙二 杉浦 忠男 佐藤 哲大
発表題目:水分移動モデルによる透析療法時における循環血液量の変動解析
発表概要:透析施行時、除水により一時的に循環血液量が減少し、これにより低血圧性の意識消失が起こる。本研究では、意識消失を予防するために循環血液量の変動に着 目し、循環血液中の水分除去に伴う血管外から血管内への水分移動の数理モデルを構築した。このモデルの適用に際し、血管内外への水の移動は血管壁の状態 (硬化度)に依存するので、飽和移動量を考慮した水分移動速度(k)を提案した。推定k値が一定値(経時的不変動)になる場合は循環血液量の減少は上に凸の convex patternとなり、推定k値がシグモイド型(経時的変動)になる場合は循環血液量の減少は凹のconcave patternとなった。
 
黒岩  将 D ソフトウェア基礎学 伊藤 実 杉本 謙二 安本 慶一
発表題目:対話型進化計算を用いた「合コン」問題の解法と評価
発表概要:近年、「少子化」の進行が問題となってきた我が国では、男女の出会 いの場を増やすべく、多くの地方自治体が、合コン(お見合いパーティ)を開催 している。その時、多数の参加希望者をどのように複数の会場に振り分れば、 カップル成立数を最大化できるか、という問題が発生する。本研究では、合コン 結果から、未知の男女の相性を求め、その相性に基づき、理想的な参加者の会場 への振り分けを実現する合コンセッティングシステムを、対話型進化計算の枠組 みに基づき提案する。男女の属性情報の組合せを進化計算の解候補集合としてシ ステムに持たせ、カップル成否の解候補の評価値としてフィードバックしなが ら、複数の良い相性を表現する解集合の獲得を目指す。従来の対話型進化計算は一つの最適解を求めることを目的としており、 現実の世の中に存在すると考えられる複数の良い相性のパターンを求めることが できない。そのため、提案手法では、複数の異なる解を求める手法として定評の あるクラウディングメソッドを進化計算に応用する。 また、対象問題では、解候補(相性)を、合コンの結果(カップル成立数)とし て間接的かつ確率的にしか評価することができない。そこで、提案手法では、 解候補とカップル成立した男女のペアの属性との一致率(割当て一致率)と 過去の評価履歴を考慮した新しい評価方法を導入する。ベンチマークテストを用意し、提案システムが未知の最適解の集合(相性)に近 い解集合を算出できること、算出した解集合を用いて、最良の相性が分かってい る場合に匹敵するカップル成立数となる合コン割り当てが可能なことを確認した。
 

会場: L3

司会: ソフトウェア基礎学助教
"Alfattany, Sami Abdul Ghani A" M インタラクティブメディア設計学 加藤 博一 伊藤 実 宮崎 純
Title : Experimental Study of Exploiting GPU for Query Optimization of Database
Abstract : I propose the rules and techniques of query optimization of databases when exploiting a graphic processing unit (GPU) for query execution. Generally, a database query can be divided into individual operations and each operation can be performed separately. Thus, some operations of the query can be executed on a GPU more effectively than on a CPU. I will show that some database queries can be processed faster if a GPU has involved in its query execution.
 
吉武 亮 M インタラクティブメディア設計学 加藤 博一 伊藤 実 宮崎 純 山本 豪志朗
発表題目:情報推薦のためのSkyline演算の拡張
発表概要:ユーザの嗜好を配慮した情報推薦を行うために、スカイライン集合だけでなくスカイライン付近に存在するデータも探索するスカイライン演算の拡張手法について発表する.既存のスカイライン集合はデータ間の距離ではなく支配関係にのみに基づいて決定されるため,限られた情報しか推薦できない.従来手法にはデータ間の距離や支配関係に着目し,スカイライン付近に存在するデータを探索する手法が見られたが,探索する範囲がスカイライン点付近のみであったり,探索するデータが膨大になったりする問題があった.本研究では,スカイライン演算後にR木等の範囲問い合わせによってスカイライン周囲のデータを探索し,ユーザの興味のあるデータを効率よく抽出する手法を提案する.
 
福澤 優 M インタラクティブメディア設計学 加藤 博一 中島 康彦 宮崎 純 山本 豪志朗

発表題目:消費電力を考慮したOLAP問合せ処理

発表内容:さまざまなデータのデジタル化に伴い,データセンタで扱うデータ量は爆発的に増大している.これらの多くの蓄積データから市場分析などを行い,経営上の意思決定に役立てるBusiness Intelligenceのような分野の重要性が注目されており,ビッグデータから分析的な問合せを行うOLAP処理に対して,問合せの応答時間を高速化する手法がこれまでにも提案されてきた.一方,データセンタでは消費電力量が環境問題や企業コストの面から問題視されている.本発表ではこれまで処理の高速化を目指して改良されてきたOLAP処理に対して,消費電力量の削減も考慮した問合せの処理を目指した手法について述べる.

 
大林 千尋 D 数理情報学 池田 和司 小笠原司 柴田 智広
発表題目:Development of an Adaptive Robotic Trainer application for Novice of Darts Throwing
発表概要:巧みな運動を身につけることは難しく時間を必要とする.近年ではロボットを用いた運動学習支援システムが提案されている. これまで提案されている運動学習支援システムの多くは学習者があらかじめ決められた運動軌道を追従するよう支援を行う. 問題点として自発的に運動を促さないため学習者が訓練中に寝てしまうことや学習するまで繰返し何度も訓練をする必要があった. 本研究では,巧みな運動に必要な運動の要素を教示することで学習者自身が適切な運動軌道について考える機会を作り, 運動学習段階に応じて支援量を調整することで学習を促すと仮説をたてた. また,ヒト機械協調系ではヒトと機械が共通の目的を持つことで系全体で目的を最大化することが出来る. オンライン強化学習を用いてヒト機械協調系を構成し,ダーツ初心者を対象とした運動学習支援システムを開発した. 本発表では,学習支援システムの設計方法とその評価について報告し今後の課題について述べる.