ゼミナール発表

日時: 09月27日(Tue)3限


会場: L1

司会: Sakriani Sakti
笠原 誠司 M 自然言語処理学 松本 裕治 中村 哲 新保 仁 小町 守
発表題目:日本語教育のための誤り訂正ローマ字かな変換 (Error Tolerant Romaji-kana Conversion for Japanese Language Education)
発表概要:近年,相互添削SNSを利用する日本語学習者が増えてきている.仮名文字を覚えるためには大きな労力が必要なため,学習者の中には日本語作文をローマ字で書く者も多くいる.しかし日本語が母語である添削者にとって誤りを含むローマ字の文は読みづらく添削しづらいという問題がある.本研究では学習者が書いた誤りを含むローマ字文を,言語特定や類似語探索などを用いた手法により訂正した後で平仮名に変換することで添削者の支援を行う方法を提案する.実験にはLang-8から収集したデータをもとに作成した学習者の誤り含むローマ字文コーパスを使用した.また別の取り組みとして格助詞誤り訂正のために作成したインターフェースを紹介し,今後のより広範囲な日本語教育支援研究としての方向性を述べる. (We present an approach to help Japanese editors on language learning SNS correct learners’ erroneous sentences written in roman characters by correcting spelling errors and converting them into kana. We collected learners' sentences from Lang-8 and used them as the test data. We also present an attempt to correct Japanese case-markers.)
 
水本 智也 M 自然言語処理学 松本 裕治 中村 哲 新保 仁 小町 守
発表題目:語学学習SNSの添削データを用いた日本語誤り訂正(Automated Japanese Error Correction with Revision Logs of Language Learning SNS)
発表概要: 第二言語学習者の文に対する誤り訂正が盛んになってきている一方で,大規模な学習者コーパスがないという問題がある.そこで,語学学習SNSから添削データの抽出を行いコーパスを作成を行った.実際に作成したコーパスを用いて日本語第二言語学習者の誤り訂正を行った.日本語の誤り訂正を行う際,誤りやひらがなを多く含むため形態素解析に失敗してしまう.その問題に対処するため本研究では文字単位での誤り訂正を行った. (We present an attempt to extract a large-scale Japanese learners’ corpus from the revision log of a language learning SNS. This corpus is easy to obtain in large-scale, covers a wide variety of topics and styles, and can be a great source of knowledge for both language learners and instructors. We also demonstrate that the extracted learners’ corpus of Japanese as a second language can be used as training data for learners’ error correction using an SMT approach. We evaluate different granularities of tokenization to alleviate the problem of word segmentation errors caused by erroneous input from language learners. Experimental results show that the character-wise model outperforms the word-wise model.)
 
鳥倉 広大 M 自然言語処理学 松本 裕治 伊藤 実 新保 仁 小町 守
発表題目:自然言語処理を用いたTwitterと株価の相関解析(Is there a correlation between Twitter and Stock Market?)
発表概要:株価は大衆心理によって変動していると言われる.近年,Webでの株取引が盛んになるにつれ,そうした大衆心理を効率的に獲得,株取引に有効活用する必要性が増している.本研究では大衆の意見,心理,考えを即時に反映するツールとしてTwitterを利用する.自然言語処理技術を用いてTwitterのデータに現れる何らかの兆候を読み解くことで株価との相関を発見,最終的には株価変動の予測に活用することが目的である.(We examine a correlation analysis between a stock price and Twitter data. Our goal is to find the correlation and signs of move of a stock price using natural language processing.)
 
CHITTAPHONE PHONHARATH M 計算メカニズム学 関 浩之 伊藤 実 楫 勇一 橋本 健二

発表題目:Verification of the security against inference attacks on XML databases

発表概要: We examine the decidability of a static analysis problem on k-secrecy, which is a metric for the security against inference attacks on databases. Intuitively, k-secrecy means that the number of candidates of sensitive data (i.e., the result of unauthorized query) of a given database instance cannot be narrowed down to k − 1 by using available information such as authorized queries and their results. In this study, we investigate the decidability of schema k-secrecy problem: Given an XML database schema, authorized and unauthorized queries, is every database instance conforming to the given schema k-secret? We show that the schema k-secrecy problem is undecidable for any finite k > 1, and that the schema ∞-secrecy problem is decidable for queries represented by deterministic linear topdown tree transducers.

 

会場: L2

司会: 大平 雅雄
吉田 尚人 M 神経計算学 池田 和司 小笠原 司 銅谷 賢治 吉本 潤一郎
発表題目:スマートフォンロボットを用いた連続強化学習アルゴリズムの比較検討
発表概要:近年のスマートフォンは三軸加速度センサやGPS、Bluetooth、USBな ど多種のセンサや通信手段を持ちながら,小型で高い計算能力をもっており,こ れら特性を生かした様々な応用が模索されている.本研究では,スマートフォン が持つ以上の特性に着目し,これを核とするロボット研究プラットフォーム(ス マートフォンロボット)を開発する.さらに,その応用例として,連続状態行動 空間を対象にした種々の強化学習アルゴリズムをこのスマートフォンロボットに 実装し,アルゴリズムの性能比較や実用可能性を検討する。
 
近藤 良 M 数理情報学 池田 和司 松本 健一 柴田 智広
発表題目:直感発生時における脳活動の時空間的遷移
発表概要:ヒトは問題に直面したとき,少なくとも2通りの問題解決法を有し, その2通りとはInsight(直感)による解法とNon-insight(非直感)による解法である. 特にInsightはヒトの知的創造性の主要な要因とされ,芸術や科学の分野でブレイクスルーをもたらしてきた. しかし, 過去の研究からInsightが発生する際に特有の脳活動が起きることが示唆されているが, 依然Insight発生下でどのような神経活動が起きているかについての理解は進んでいない. 本研究では, 脳波を多チャンネルで計測・解析し, 脳のどの部位がInsight発生に関する情報を持ち, 時間経過とともにその情報を持つ部位がどのように遷移していくのかという時空間的解析を行い, Insight発生に伴う神経活動・脳機能の解明に繋げることを目指す.
 
藤居 宏平 M 数理情報学 池田 和司 松本 健一 柴田 智広
発表題目:純音に対する事象関連電位を用いた聞こえ評価手法の検討
発表概要:近年、高齢化に伴い難聴者が増えている.日本における難聴者人口は約2000 万人,人口の約15.2%と推定されている.難聴者を支援する機器として,補聴器がある.しかし,補聴器の調整が満足に行われていない.特に,補聴器の最大音圧の調整のために測定する不快閾値(UCL:UnComfortable Level)計測において,測定者が呈示された音がうるさいかどうかを逐一報告することが負担になっている.そこで本研究では,純音を聞いたときの事象関連電位(聴覚誘発電位)からUCLを推定する方法の確立を目指す.UCLを聴覚誘発電位から抽出するための工夫として,同じ種類の音を2音連続で呈示した.そのデータを時間窓平均,線形判別を用いて解析した結果.1音目よりも2音目のほうがUCLをより反映していることを示唆する結果が得られた.
 
鈴木 裕輔 D 数理情報学 池田 和司 金谷 重彦 駒井 章治(バイオ)
発表題目:神経活動と行動の非侵襲的制御法の開発
発表概要:ヒトの行動制御に寄与する末梢から中枢までの神経経路に関する神経科学的知見から,生体にとって安全な方法で脳神経系を刺激する技術(非侵襲脳神経刺激)が開発され,我々の様々な知覚・認知・運動能力を制御することが可能になりつつある.前期課程における研究では,この非侵襲脳神経刺激を背側運動前野に適用することで,ヒトのマルチタスクパフォーマンスが向上する可能性を示した.後期課程では,より時間・空間的に高精度な神経活動・行動の制御が可能な光遺伝学的技術を用いて,マウスのパニック行動の抑制に寄与する,末梢から中枢までの神経経路を明らかにすることを試みる.この研究は,脳神経刺激デバイスや抗パニック薬等を必要としない,末梢神経系への非侵襲な刺激による,パニック行動の抑制法の開発に貢献する.
 

会場: L3

司会: