ゼミナール発表

日時: 11月2日(水)3限 (13:30-15:00)


会場: L1

司会: 姚 駿
齋藤 利文 インターネット工学
発表題目:[論文紹介]An In-VM Measuring Framework for Increasing Virtual Machine Security in Clouds
発表概要:近年、新しいコンピュータの利用の形態として、クラウドコンピューティングが流行しつつある。しかし、そのセキュリティに関しては、まだ不十分であり、真に有効な手法の確立が急務である。本発表では、その主要な構成要素の一つである仮想マシンに対するセキュリティに関して、Measurementとin-VM monitoringという手法を組み合わせ、従来の手法よりもクラウドコンピューティングの環境に適した手法を提案している、本論文の紹介を行う。
 
池田 惇耶 ユビキタスコンピューティングシステム
発表題目:SNSを用いた所有動画の遠隔ユーザ間同時視聴支援手法
発表概要:発表概要:近年,Youtubeやニコニコ動画などの動画共有サイトなどを利用して,動画を視聴してコミュニケーションをとるといった楽しみ方が出来るようになった.さらに,ネットワークインフラの発達やスマートフォンなどが普及したことにより,個人で録画した動画をいつでも,どこでも見れるようになった.一方,個人で録画した動画を,Youtubeなどのサイトを介さず,複数のユーザや遠隔地のユーザと個人間で同時視聴出来れば便利である場合は,(1) 誰といつ,何を見るかをメールや電話などで調整する必要がある.また,(2) 個々人の異なるデバイスやネットワーク環境に合わせた動画配信も必要となる.既存研究で,上記の(1)(2)を同時にサポートしているものはない.そして,既存研究及び既存サービスにおいて達成できていないコミュニケーションの面で改善が必要な部分がある.本研究では,自分のPC内に保存されている録画データなどを遠隔地のユーザと同時視聴し,また,コミュニケーションを円滑に行うことを支援システムの構築を目標とする.提案手法では,全体の流れを3つのフェーズに分け,(1)誰と何をいつみるかを決定するフェーズ,(2)個々人の環境を考慮した同期視聴を行うフェーズ,(3)コミュニケーションを取るフェーズに分けて.それぞれ課題を解決する.まず,第1フェーズではTwitterの仕組みを使い情報をやりとりし,その情報を用いて誰と何をいつみるかといった調整を行う.第2フェーズでは,第1フェーズで得られた情報を用い,スケージュリングを考慮した配信やトランスコードなどを行った上での配信など,環境にあった配信方法を決定する.このとき配信を行うのはVLCの機能を使う.第3フェーズでは,Twitterベースのコミュニケーション方法を考えている.本発表では,研究背景,関連研究,提案手法を述べるとともに,進捗と今後の課題について述べる.
 
松尾 真也 ソフトウェア基礎学
発表題目:災害時における三次元位置推定手法の提案
発表概要:大規模な災害時の救助活動において、センサやノードの正確な位置を把握する必要がある。特に室内の位置情報に関してはGPSでは精度が十分でなく、無線ネットワークを用いた位置推定技術が要求される。そこで本研究では三次元空間における無線ネットワークを用いたrange baseな位置推定手法を提案する。提案手法では任意の三次元空間上のポイントに対して、逐次起動法を用い最低1カバーになるようノードの配置を行う。
 
秋吉 保紀 ディペンダブルシステム学
発表題目:論文紹介"Signature Based Diagnosis for Logic BIST"
発表概要:テストにより不良品と判定されたLSIチップには不良解析が行われ、その原因、発生メカニズムの解明によって、製品の歩留り、品質、信頼性の向上につなげられている。不良解析においてチップ上の故障位置をソフトウェアによって指摘する故障診断は、今日の大規模回路において、物理解析コスト削減のために重要になっている。その一方で、システムの信頼性向上のため、回路内にBIST(Built-In Self Test:組込み自己テスト)機構が組み込まれることが多くなっている。BIST環境ではテスト応答を圧縮するため、テスト応答に基づいて故障位置を指摘する故障診断は困難になる。本論文では、圧縮された応答のみを用いる故障診断手法が提案されている。評価実験では、BIST環境でない場合と同等の診断パフォーマンスを実現している。本発表ではこれを紹介する。
 
盛 慎 ソフトウェア工学
発表題目:派生開発におけるFault-proneモジュール予測
発表概要:近年, ソフトウェアの開発サイクルが短期化している. 一方で品質を確保することは依然として求められており, そのために見積もりやバグ予測といった方法が取られてきた. しかし今日の開発の多くは派生開発であり, 従来の見積もり方法はこのことを考慮していない. そこで本研究では, 派生開発の特徴を考慮したFault-proneモジュール予測方法を確立する. 本発表ではその予備実験の結果と進捗について述べる.
 

会場: L2

司会: 小町 守
有田 千紘 インタラクティブメディア設計学
発表題目:複数携帯型プロジェクタカメラシステムにおける相対的色補正
発表概要:近年では複数のプロジェクタを利用し、画像を合成することにより、投影面の拡大化が行われている。また、携帯型プロジェクタを利用しての投影面の合成の研究も増加している。しかし、複数の携帯型プロジェクタを用いて画像を合成すると、繋目の違和感が発生する。本研究では、複数の携帯型プロジェクタにカメラを備え付けたプロジェクタカメラシステムを用いてカメラから得られた投影画像の情報を元に繋目の色補正を行うことで、違和感の解消を行うことを目的としている。据え置き型プロジェクタカメラシステムと携帯型プロジェクタカメラシステムの補正の差に触れ、プロジェクタカメラフィードバック等の手法を用いた色補正の技術やそれに対する携帯型プロジェクタカメラシステム上の問題点について説明する。また、カラーキャリブレーションに関連する文献内容や研究課題を達成するための簡易実験の内容を発表する。
 
糸井 三由希 音情報処理学
発表題目:非可聴つぶやき認識における多チャンネル信号処理を利用した非定常雑音抑圧法の検討
発表概要:静粛な環境など、発声行為自体を躊躇する状況においても音声入力を可能とする技術として、微弱な体内伝導音声である非可聴つぶやき(Non-Audible Murmur:NAM)を用いた音声認識が提案されている。NAMマイクロフォンを体表に圧着することでNAMの収録が可能となる一方で、ユーザの動作によってはNAMマイクロフォンの圧着環境が大きく変動するため、収録信号に雑音が混入する。 本研究ではユーザ動作に起因する非定常雑音抑圧を目標とし、NAMマイクロフォン、粘着式NAMマイクロフォン、スロートマイクロフォンを用いた6チャンネル同時NAM収録を行い、多チャンネル信号処理の有効性について検討した結果を報告する。
 
上田 優子 視覚情報メディア
発表題目:全方位カメラを用いた自由視点画像生成による移動ロボットの遠隔操縦
発表概要:近年,危険区域での作業をロボットに行わせるといった移動ロボットの遠隔操縦に関する研究が注目されている.ロボットの操縦者は,遠隔地に存在するロボットに搭載されたカメラで撮影された映像を見て操縦を行う. 従来,操縦者に提示される映像として,ロボットの目線である主観視点映像が広く用いられてきた. しかし,主観視点映像を用いた遠隔操縦において操縦者によるロボットの位置同定が難しいという問題が存在し, これを解決するためロボットを眺める視点である客観視点映像を用いた遠隔操縦に関する研究が行われている. 本研究では,主観視点および客観視点の映像を,操縦者が環境に応じて選択するような新たな遠隔操縦システムを 提案する.提案システムでは,操縦者の視点位置・視線方向の計測に基づいた自由視点画像生成を行い, 操縦者が必要としている提示映像をシームレスに提供することでロボットの遠隔操縦の支援を行う. 本発表では,CG環境における予備実験および今後の課題について述べる.
 
PATINO GONZALEZ MIGUEL ANGEL ネットワークシステム学

発表題目:Study on throughput improvement using a cooperative transmission scheme in heterogeneous wireless networks

発表概要:Traditionally, lots of effort has been put on the development of faster transmission schemes for single-link scenarios, using high-order modulation and/or advanced coding methods. However, the gain obtained by improving the single-link is reaching an upper bound, and different new approaches have appeared on scene, including the use of heterogeneous networks. In this work, a method for using any transmission resources available from one or more networks (such as WiMAX and WiFi) is investigated. This cooperation among heterogeneous networks may increase user and network throughput, due to the availability of more radio resources, and the possibility for off-loading the macro-cellular network, respectively. However, to achieve this, there are many technical challenges to overcome. First, a cross-layer approach should be considered, requiring modifications to the existing TCP/IP protocols stack. Second, we need to design very carefully new metrics for evaluating the actual condition of prospective serving networks, considering the differences in radio access parameters. Third, an appropriate traffic balancing criteria and resource management scheme must be defined based on the results of the evaluation mentioned above. Finally, considering that the throughput requirement will increasingly evolute, it is envisaged that cooperative schemes will become the key enabling technologies for future networks.

 
柏木 潔 自然言語処理学
発表題目:商品レビュー文からの要約文生成
発表概要:通販サイトの利用者にとって、商品のレビュー文はその商品を購入するかどうかを判断するための重要な情報源となります。しかし、通販サイトによってはレビューのタイトルがレビュー内容と結びつかないものや、タイトルがついていないもの、レビュー文が長いものなどがあり、レビューに目を通さないと商品のどういったところをレビューしているのかがわからないものが多く存在します。そこで本研究では、レビュー文書に対してレビュー内容の要約文を生成し、利用者が求める情報を記載しているレビューを探しやすくすることを目的としています。今回の発表では、要約文を生成する流れと本研究の目指すところを発表する。
 

会場: L3

司会: 渡辺 一帆
赤塚 祥太 知能システム制御
発表題目:プラントの運転ログデータ解析によるプラントアラームシステムの適性化
発表概要:1980年代のシステム高度化によってプラントにおける監視水準は飛躍的に向上した。しかしそれに伴い、オペレータに誤判断や重要アラームの見落としといった重大な過失を引き起こさせる迷惑アラームの発生という問題が新たに生じた。この迷惑アラームの発生原因は、必要性・妥当性の精査が行われないまま現場に持ち込まれた不適切なアラーム設定であるとされている。そこでこの不適切なアラーム設定を適正化することによる迷惑アラームの削減を目的として、迷惑アラームがどこに存在するのかをプラント運転ログデータから抽出する方法として提案された「イベント相関解析法」について紹介する。
 
浦辻 勇輝 ロボティクス
発表題目:人間の扉開閉動作に合わせた電動車椅子の走行支援
発表概要:近年の高齢化社会に伴い車椅子の需要が高まってきている.その中で,ジョイスティックを利用して走行する電動車椅子は,搭乗者自身で操縦が可能であること,ハンドリム操作による腕の負担がないことなど,一般の標準型車椅子と比べて利点が多いといえる.しかしながら,実環境の走行には未だ様々な障害があるため,走行支援技術の開発が求められている.そこで,本発表では代表的な障害である扉の通り抜けを取り上げ,電動車椅子における問題点,及び走行支援の課題を整理する.走行支援には,位置姿勢推定や扉検出のためのセンシング技術と扉や人間の動きに合わせたナビゲーション技術の大きく二つの課題があるが,本発表ではセンシングに関する先行研究として,移動ロボットにおける扉の検知方法を紹介する.また,先行研究を踏まえて本研究でのアプローチを提案し,現在の進捗を報告する.
 
青本 和也 ロボティクス
発表題目:パワーアシストスーツを用いた上肢リハビリ支援システムの提案
発表概要:近年の少子高齢化に伴い,医療・介護などの分野における人手不足が問題化している. さらに,2015年には高齢者の割合が人口の4分の1に達すると予測されており, この問題は顕在化すると考えられる. 現在では片麻痺患者に対するリハビリ支援システムの開発が行われているが,重症度の中軽度の患者が対象となっている.そこで,本発表では重度の片麻痺患者を対象としたリハビリ支援システムの提案と,研究方針,これまでの進捗状況を述べる.
 
KIBINGE NELSON KIPCHIRCHIR 計算システムズ生物学

Sub-gene phylogenomics study of protists

Recent advances in sequencing technologies has yielded huge amounts of genomic data, thus providing a platform to better understand the process of speciation and phylogeny among living organisms. Most of the studies done in evolutionary genomics so far focus on the gene as a unit and most do not take into account the contribution of modules to the in the formation of new genes. In our present study, we aim to study the trend of mutational patterns at the gene domain level among the protists. Protist genomic sequencing projects constitute about 17% of the genome projects so far. The most important aspect of these organisms though remains to be their bio-medical importance, chief among them being the genus Plasmodium, which is responsible for malaria transmission. We use bioinformatics approaches to model the evolutionary events at the domain level. Re-arrangement, duplication, deletion and fusion of modules could be a source of new genes. Our study will elucidate on the contribution of these evolutionary events to the process of speciation.
 
愛須 亮太 数理情報学
発表題目:Motor Imagery中の神経活動と血流応答の相関解析
発表概要:ヒトにおいてあるタスクに応答する神経活動と血流応答のメカニズムは、未だ明らかにされていない部分も多くある。先行研究では視覚タスク時におけるγ帯域とHb-deoxyの関係性が明らかにされた。そこで本研究では、Motor Imageryタスク時におけるEEG-NIRS同時計測データを解析し、その相関関係を明らかにする。さらにその関係性を解明することによって、EEG-NIRSを用いたブレインマシンインターフェイスの発展にも貢献する。