ゼミナール発表

日時: 9月30日(木) 4限


会場:L1

司会:竹村 憲太郎
馬場口 豊 M2 横矢 直和 木戸出 正繼 山澤 一誠 佐藤 智和
発表題目:テレプレゼンスシステムにおける周期運動物体の運動再現
発表概要:遠隔地の映像を再現する全方位テレプレゼンスシステムでは,移動撮影された映像の再生位置を変更することで,1自由度の視点移動と全方位の見回しを実現できる.しかし,物体の運動が再現されず臨場感が損なわれる問題がある.本研究では,離散的な位置で異なる時間に撮影した複数の動画像を入力とし,周期運動物体を対象とした映像の繰り返し再生と連続性を考慮した視点切り替えを行うことで,提示映像上における周期運動物体の運動再現を実現する.
 
大倉 史生 M2 横矢 直和 小笠原 司 山澤 一誠 神原 誠之
発表題目:飛行船からの空撮動画像を用いた拡張テレプレゼンス
発表概要:本研究では,無人飛行船に搭載された全方位カメラから撮影された動画像を用いた広域屋外環境における蓄積再生型拡張テレプレゼンスシステムを提案する.提案システムは,撮影済みの空撮全方位動画像を用いてカメラ位置・姿勢を推定し,動画像に映り込んだ空領域を用いて空全体の光源環境の推定を行うことで,幾何学的・光学的整合性の実現を図る.本発表では平城宮跡上空で撮影された動画像を用いた全方位ARシーンの生成実験結果を紹介し,システムの実時間化への展望を述べる.
 

会場:L2

司会:櫨山 寛章
岡本 慶大 D2 砂原 秀樹 山口 英 藤川 和利
発表題目:クラウド環境における実計算機アーキテクチャ適応型バイナリ生成手法の研究
発表概要:クラウドコンピューティング環境を支える技術の1つとして、VM(仮想計算機)サーバクラスタが挙げられる。実計算機ではなくVMを運用することで、ハードウェアは互換性の高いものに抽象化さるため、ライブマイグレーションなどを利用した柔軟な運用が可能となる。 しかし、抽象化されたハードウェアはオーバヘッドを生み、性能低下の原因となる。さらに、特定の処理に特化したプロセッサの命令やハードウェアアクセラレータが利用できないことが多い。このため、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)の分野などにおいてクラウド環境の利用を妨げる一因となっている。 そこで本研究では、VMが動作しているハードウェアに対して動的に最適化を行う実行バイナリを提案する。マイグレーションでハードウェアが変化したことを検出したバイナリは、Hypervisorからのハードウェア情報の提供を受け、現在利用可能な機能に応じた最適化バイナリの生成を行い、実行されていたバイナリを置き換えて再び実行される。この提案により、マイグレーションによる柔軟な運用と、ハードウェア最適化による高速化を両立することができる。
 
東 結香 M2 砂原 秀樹 山口 英 藤川 和利 猪俣 敦夫
発表題目:コードに基づいたマルウェアの挙動分類に関する研究
発表概要:近年、マルウェアの数は増加の一途をたどっており、すべてのマルウェアを事前に検知・駆除するのは非常に困難となっている。そこでマルウェアの脅威となる挙動を予測できるような指標が必要となる。指標生成のために似た挙動、即ち機能を持ったマルウェアの分類が必要となる。本発表では、マルウェアを逆アセンブルしたものから特徴を抽出し、類似度を計算した後クラスタリングを行い機能で分類することを提案し、現在の進捗および実験予定、今後の課題を述べる。
 
松尾 健司 M2 砂原 秀樹 山口 英 藤川 和利
発表題目:DTN環境を考慮した 高密度センサネットワークに対するセンサデータ抽出手法の提案
発表概要:身近にセンサやカメラなど大量に情報が氾濫しているが,インフラ整っていない場合これらの情報を収集する事が困難となる.そこで,近年普及してきたスマートフォンなど携帯端末に注目し,人が携帯端末を持ち動き回る事で欲しい情報だけを抽出するシステムの実現を目的とする.本発表ではDelay Tolerant Network環境での情報抽出手法を提案し,現在の進捗と今後の研究方針を述べる.
 
中川 隆広 M2 砂原 秀樹 山口 英 藤川 和利
発表題目:遅延時間を基にした同時視聴のためのALMツリー構築手法の提案
発表概要:インターネットの高速化・帯域の増加・低価格化などにより、ユーザ発信型の動画生配信サービスが増えてきた。中でも、ALM(Application Layer Multicast)は大規模な配信を低コストで実現する技術として使用されている。しかしALMを用いて複数配信されるチャンネルから、それぞれの映像を同時に視聴したり切り替えて視聴したりするとき、それぞれの映像間の時間的な再生ズレが問題になってくる。本提案では複数のチャンネルの映像を組み合わせて同時に視聴するサービスを想定し、想定サービスを提供する際に生じる問題点と解決策を述べる。
 

会場:L3

司会:中村 奈美
高井 宗 D2 西谷 紘一 杉本 謙二 中村 文一
発表題目:股関節角度制御によるコンパス型2足ロボットの歩容生成
発表概要: 近年、ロボットのダイナミクスを利用した歩行ロボットの研究が盛んに行われており、特に足首にアクチュエータを持たない劣駆動ロボットに対する歩行制御が注目を集めている。しかし、歩行が周期的であるという仮定や軌道計画を用いずに股関節の角度制御のみで継続した歩行を実現した研究は少なく、どのように一歩の股関節角度を制御すれば歩行可能であるかに関してはこれまでに明らかにされていない。そこで、本研究で股関節角度制御により歩行を実現するためには脚の重量バランスと特定のトルク制約が重要であることを示し、実機を用いた実験により有効性を確認する。
 
太田 濃 M2 西谷 紘一 飯田 元 野田 賢

発表題目:イベント相関解析を用いたプラントアラームシステムにおけるタイムウインドウ幅に関する考察
発表概要:近年,プラントの大規模化や分散制御システム(DCS;Distributed Control System)化に伴い連鎖アラームや繰り返しアラーム,操作不要アラームなどの迷惑アラームの削減活動が盛んに行われている.しかし,既存のアラーム発生件数ランキングに基づいたアラーム削減手法では削減効率が低下している.そこで,プラントで発生したアラーム,操作の種類と発生時刻からなるイベントデータからイベント相関解析法を用いて迷惑アラームを抽出する方法が提案されている(西口ら).本発表ではこのイベント相関解析法の問題点であるパラメータの設定指針の提案として,タイムウインドウ幅の設定指針に関する考察を行う.

 
梅原 茂樹 M2 西谷 紘一 木戸出 正繼 野田 賢
発表題目:交差点通過行動のミクロ分析と安全運転教育への応用
発表概要:自動車事故発生件数は近年減少傾向にあるが,その水準は依然として高い.その中でも出会い頭事故は高い割合を占めており,その多くは無信号の交差点で発生している.我々は,自動車事故の予防にはドライバの運転行動改善が最も重要であると考え,ドライバの運転行動から危険度を定量的に示す指標「安全確保速度(HAS1)」を提案してきた.しかし,HASにはドライバの意図しない安全確認のタイミングのズレによって大きく値が変化するケースがある.本研究では,この問題を解消するために再現性の高い速度とペダル操作のみを評価する「確認余裕時間」という指標を提案する.本研究では,HAS1と確認余裕時間について解析を行い,解析結果から得られた知見と安全運転教育への応用法を述べる.
 
大西 悟 M2 杉本 謙二 木戸出 正繼 平田 健太郎 小木曽 公尚
発表題目:カメラ雲台のオブザーバを用いた超解像処理
発表概要:近年, 位置ずれのある複数枚の低画質な画像から高画質な画像を生成する技術として 超解像処理が注目されている. 従来では撮影画像のみを用いて高画質な画像を生成する方法が主流であった. 本研究では, 監視カメラのような雲台にカメラが取り付けられた画像取得システムにおいて, 雲台の内部情報(回転角度・速度)を推定できるオブザーバを用いることにより, 各撮影画像に対応した 角度・速度の情報を得ることができるため, 撮影画像のみでなく雲台から得られる情報を利用して 超解像処理を行うことを考えた. よって本発表では, 雲台の回転角度・速度を用いた超解像処理システムを提案する. また, 実機検証により本システムの有効性について検討する.