ゼミナール発表

日時: 9月28日(火) 4限


会場:L1

司会:橋本 健二
坂東 祐司 M2 松本 健一 関 浩之 門田 暁人 森崎 修司
発表題目:ソフトウェアレビューにおける構造化チェックリストの表記方法の比較
発表概要:欠陥の早期発見,不具合の修正コストの低減を目的として目視で成果物の欠陥を発見するソフトウェアレビューが実施されている.ソフトウェアレビューの代表的な支援技法としてチェックリストが使われている.チェックリストに含まれる項目の中にはある項目を確認すれば他の項目を確認する必要がなくなるものがある.本研究ではそのような依存関係をもつチェックリストを構造化するための技法を実験により比較する.具体的には,順序つきチェックリストを与えたグループ,フローチャート形式で表記したチェックリストを与えたグループ,チェックリストを与えないグループ,の3つのグループにおける欠陥指摘数を比較した.
 
後藤 隼人 M2 松本 裕治 関 浩之 新保 仁
発表題目:半教師あり学習手法を用いた産業別の企業間取引ネットワーク分析
発表概要:複雑系ネットワークの特徴を持つ企業間取引ネットワークの分析は、企業が有効な経営戦略を図る上で重要な情報となる。このネットワークの分析に関しては、主に経済物理学の分野で多く研究されていると共に、総務省統計局による企業統計調査などが存在するが、これらの多くは「業種」もしくは「地域」の観点からの分析であり、「製品の流れ」に注目した分析ではないことから、企業にとってしばしば有益な分析結果に成り得ていない。本研究では、例えば「リチウムイオン電池」に関係する企業を「リチウムイオン電池産業」と見なし、(1)これに属する企業を分類し、(2)その企業群間の取引ネットワークを分析することで、企業にとって有益な企業間取引ネットワーク分析を実現することを目的とする。本発表では、本研究の新規性や有用性について述べた後、(1)の予備実験結果と今後の実験計画について言及する。
 
林部 祐太 M2 松本 裕治 関 浩之 新保 仁 小町 守
発表題目:文脈を用いた述語項構造解析に向けて
発表概要:述語項構造解析とは入力文に対して格構造を解析することである. 例えば,「私は今日カレーを食べた. 」といった文章が与えられた場合, 述語「食べた」に関係する項(「私は」,「カレーを」)と, その意味関係(「ガ格,ヲ格」または「動作主格,対象格」)を同定することが目的である. 本発表では,項が述語と同じ文内に無い場合,その項が「どのような文脈で使われているか」という情報を解析に利用するための 先行研究と提案手法を報告する.
 
岩立 将和 D2 松本 裕治 関 浩之 新保 仁 浅原 正幸
発表題目:候補の直接比較に基づく決定的な日本語係り受け解析ルゴリズムの検討
発表概要:文節間の統語的な依存関係を同定する処理である日本語係り受け解析は、各文節について係り先候補集合から最適な係り先を選択する問題とみなすことができる。我々は、二値分類器に二つの係り先候補を提示し、どちらの候補がより正解らしいかを判定させるという候補の直接比較に基づいて最適な係り先を選択する解析モデルを提案し、それぞれの係り先候補についての正解らしさのスコアの比較に基づくモデルより高精度であることを示した。 しかしながら,このモデルは決定的な解析を行うため,文末の文節から順に係り先を同定していく場合,文頭方向の構造情報が利用できない.一方,多言語係り受け解析の分野では,スコアを利用した動的計画法に基づくアルゴリズムが提案されている.我々は,候補の直接比較の原理とこれらのアルゴリズムを組み合わせることで,決定的な解析の欠点を緩和することを目指している.