ゼミナール発表

日時: 9月28日(火) 3限


会場:L3

司会:吉田 則裕
吉村 巧朗 M2 松本 健一 西谷 紘一 門田 暁人
発表題目: デバッガ使用環境下におけるデバッグ行動の分析
発表概要:ソフトウェア中にバグの存在が確認されれば早期に除去しなければならない. そのためデバッグ作業の効率化が求められ,デバッガ等の支援ツールが開発されてきた. しかし,デバッグ作業の効率はプログラマの能力に大きく依存することが指摘されている. そこで過去,デバッグ作業を分析し,作業効率を高めようとする研究が行われてきた. これらはデバッガなどの支援ツールを使用しない環境に対して分析を行っている. だが統合開発環境が普及し,開発されるソフトウェアの規模が増大してきた現在において, デバッガを用いずにデバッグ作業を行うのは現実的ではない. そこで本研究ではデバッガ使用環境下において,プログラマのデバッグ能力によりプログラムの 読み方にどのような差異が表れるか明らかにすることを目的としている.
 
佐々木 辰也 M2 松本 健一 飯田 元 門田 暁人 森崎 修司
発表題目:キャプチャ画像を用いたレビュー指摘記録作業の実験的評価
発表概要:近年,ソフトウェアレビューの支援を目的としたツールが提案されている.しかし,これまでのレビューの支援に関する研究では,欠陥の記録に特化した研究はほとんど行われていない.一方,どのような形態のレビューであれ記録は不可欠であるため,記録に関する研究を行う価値は大きいといえる.一般に欠陥の記録作業は自然言語の記述により行われる.一方で,特定の位置を指し示すような自然言語では表現しにくい内容の指摘を行う場合は,キャプチャ画像を記録に付加することで記録作業を簡略化できると考えられる.そこで,キャプチャ画像が欠陥の記録作業に与える効果を調査するため実験を行った.実験では,次の2つの時間を計測した.(1)欠陥の記録に要した時間.(2)欠陥の記録を参照してからその内容を思い出すまでの時間.実験の結果から,欠陥の記録に画像を付加することで欠陥の内容を思い出すまでの時間が短縮される効果や,思い出しの失敗を防ぐ効果を確認することができた.
 
渡邊 正隆 M2 松本 健一 飯田 元 門田 暁人 森崎 修司
発表題目:バグ報告の単語出現頻度に着目したチェックリスト作成の試行
発表概要:通常,ソフトウェアの品質向上を目的として行われるソフトウェアレビューやテストで用いられるチェックリストを作成する明確な手順はなく,エキスパートが過去の経験や過去に発生したバグを元に作成している.本研究ではチェックリストのシステマチックな作成を目的とし,過去に報告された複数の類似バグからバグを抽象化し,抽象化したバグを発見できるようなチェックリストを作成する手順を提案する.また,提案手順をオープンソースソフトウェアのバグ管理システムに蓄積されたあるバージョンのバグからチェックリストを作成し,それ以降のバージョンのバグを防げていたか評価する.