ゼミナール発表

日時: 9月28日(火) 2限


会場:L1

司会:浦西 友樹
五十嵐 匠真 M2 湊 小太郎 千原 國宏 杉浦 忠男 中尾 恵
発表題目:放射線動体追尾照射のための肺腫瘍の位置推定と自動位置合わせ
発表概要:近年,放射線治療が悪性腫瘍に対する非観血的な治療法として注目されている.特に呼吸によって移動する肺腫瘍に対し,腫瘍を追尾しながら放射線を照射する動体追尾照射による治療の実現が期待されている.治療中には二方向からの患者の時系列連続X線直接撮影像が取得可能であるが,このX線画像のみをもとに画像処理で腫瘍位置を正確に把握することは容易ではない.そこで,本研究では術前に取得されるCT断層画像から肺メッシュを生成し,有限要素法に基づく変形シミュレーションにより肺腫瘍の位置を推定する.その後,変形後の肺領域に関して, DRR(Digitally Reconstructed Radiograph)を生成し,実際に撮像される2枚の時系列X線画像に位置合わせすることで照射位置を決定する.本発表では,この提案手法と変形結果について述べ,また,変形精度の自動定量評価の可能性についての実験も行ったので合わせて報告する.
 
佐藤 拓 M2 湊 小太郎 千原 國宏 杉浦 忠男 佐藤 哲大
発表題目:自転車エルゴメータ運動時における筋電図周波数解析による筋活動の評価
発表概要:自転車エルゴメータによる運動は、多関節同時運動が行える利点をもち、また膝への負担が少ないことから下肢の骨関節疾患全般に対する運動療法に 用いられている。近年、エルゴメータ運動時における筋活動の評価が、表面筋電図を用いて行われてきた。筋電図解析の一つである周波数解析は、筋の質的評価 として用いられている。しかしながらエルゴメータ運動時において筋電図周波数解析を用いて分析した研究では、平均周波数などを指標としてパワースペクトル 全体の変化を捉えたものがほとんどであり、周波数帯域ごとの詳細な周波数特性は明らかにされていない。そこで本研究では、エルゴメータ運動時における筋電 図の周波数特性の変化を明らかにすることを目的とする。運動負荷などを変化させた場合の筋電図をMatching Pursuitによる時間周波数解析を行い、分析することで筋活動の評価を行う。
 

会場:L2

司会:橋本 健二
伊原 彰紀 D2 松本 健一 関 浩之 門田 暁人 大平 雅雄
発表題目:不具合修正プロセスに基づくOSS保守作業時間の見積もりに関する研究
発表概要:大規模なOpen Source Software (OSS)を開発するプロジェクトでは,1日に数百件の不具合が報告されることも珍しくない.大量の不具合報告は,修正が開始されない不具合の増加,担当者の変更回数の増加など,報告された不具合を短期間のうちに修正することを困難なものにしている.そのため,OSS管理者は不具合修正の効率化を迫られている.不具合修正を効率的に行うためには,過去の不具合修正作業履歴から効率的な不具合修正の実施方法の理解,現在の不具合修正作業を把握するための支援,修正作業に要する保守作業の見積もりが必要である.本研究では,OSS管理者が保守作業に要する時間を見積もるために,不具合修正プロセス中の各作業時間を把握する手法を提案した.本発表では,提案手法の有用性を確認するためにOSSプロジェクトを対象にケーススタディの結果を示すとともに,研究の進捗状況と今後の方針について報告する.
 
笠井 則充 D2 松本 健一 関 浩之 門田 暁人 森崎 修司
発表題目:目視とメトリクスによる品質推測を組合せたFault-proneモジュール判別
発表概要:Fault-prone モジュールの予測精度を高めることを目的として,ソースコードメトリクスと目視による評価を組合わせたFault-prone モジュール判別手法を提案する.提案手法では2 段階の判別を設け,ソースコードメトリクスによる判別を一次判別とする.一次判別でFault-prone の可能性が高いと判別されたモジュールを対象として,目視による二次判別を実施する.商用ソフトウェアを対象とし,一次判別モデルとし,線形モデル,非線形モデルを用いて提案手法を評価したところ,メトリクスのみによる予測と比較して,予測精度が最大で1.75倍向上した.評価においては,利用可能なコストに応じて二次判別の対象を増加することにより,予測精度が大きくなることを確認した.
 
西川 朋希 M2 松本 健一 関 浩之 門田 暁人
発表題目:Fault-proneモジュール判別のための相関ルールのリダクション
発表概要:ソフトウェア開発において,限られた開発期間で十分な品質を確保することの重要性が高まってきている.そこで,近年,モデルベース手法である線形判別分析やロジスティック回帰分析を始めとするFault-proneモジュール判別手法が提案されている.しかし,モデルベース手法は,数式を見ても理解しにくいため,現場に受け入れられにくい.そこで,本研究では,ルールベース手法である相関ルール分析を用いたFault-proneモジュール判別手法に着目する.相関ルール分析で作成されるルールは,バグを含む条件が明確なので,現場に受け入れられやすいという利点がある.反対に,欠点としてルールが大量に生成されすぎてしまい,どのルールに着目すればいいのか分からないという点である.そこで,本研究では,相関ルールを減らす方法(ルールリダクション)を確立することを目的に,アルゴリズムを提案し,進捗と今後の予定について述べる.