井上 裕太 | M2 | 池田 和司 | 西谷 紘一 | 竹之内 高志 | |
発表題目:仮想ブレーキに基づく衝突リスク指標
発表概要:本研究では追突警報システムで用いるリスク指標について提案する.典型的な追突警報システムでは,ドライバーの感じる追突リスクを評価し,そのリスクがしきい値を超えたときに警報を発するが,このようなシステムでは,どのようなリスク指標を用いるかが重要となる.我々の過去の研究では,車両が等加速度運動をした場合の衝突までの時間である,2nd-order time-to-collision (TTC2) が有効であることが明らかとなった.しかし,TTC2 は車間を一定の短い距離に保つとき,ドライバーが危険を感じるのに反してリスクが小さく計算される問題がある.この問題を克服するため,我々はドライバーが常に先行車両の急ブレーキを予測していると仮定した brake-assumed 2nd-order TTC を提案する.この指標は TTC2 を先行車両が一定の強さのブレーキで減速するとして計算したものである.このアイデアにはブレーキの強さをどの程度に設定すべきかという課題がある.そのため,ドライバーの予測する先行車両の減速度を推定する,2つの手法(CV minimizer, transferred deceleration)を提案する.提案手法の効果を確認するため,我々は2つの手法を以前に収集した自由走行での運転データに適用した.実験の結果,2つの手法から得た減速度を用いた指標は,ドライバーのブレーキのアクセルの使用をどちらも同程度説明できた. | |||||
岡平 正照 | M2 | 池田 和司 | 木戸出 正繼 | 渡辺 一帆 | |
発表題目:可動式センサを搭載したロボットによる未知環境下での経路計画
発表概要:ロボットが様々な環境において自律的に移動し作業するためには,自身に搭載されたセンサを用いて周囲の環境を認識することが必要である. SLAM (Simultaneous Localization and Mapping) は自己位置と周囲の地図を同時に推定する手法であり,これに加えてロボットの移動経路も同時に決定する手法も研究されている.この手法は生成中の地図を使用して経路を決定するため,生成する地図の精度が重要である.しかし,従来の SLAMの枠組みではセンサの角度はロボットに固定されているため,環境に合わせた観測データを得ることが難しく地図の不確かさを蓄積してしまう.そこで,本研究では搭載されたセンサの角度が制御可能なロボットを想定し,角度を制御することによって不確かさの小さい地図を得ながら経路計画を遂行するアルゴリズムを提案する. | |||||
鈴本 悠輝 | M2 | 千原 國宏 | 横矢 直和 | 眞鍋 佳嗣 | 浦西 友樹 | |
発表題目:不透明物体を内包する透明物体の形状計測のためのシルエット分離抽出
発表概要:透明物体の形状計測に関する研究はいくつか報告されているが, 虫入り琥珀やボトルシップのような不透明物体を内包する透明物体において, 物体の外部表面と内部の不透明物体の両方の形状を計測する手法は確立されていない. そこで本研究では,従来手法では形状計測が困難である不透明物体を内包する透明物体について, 外部形状と内部形状を非接触で計測することを目的とする. 本発表においては,視体積交差法を用いてこれらの形状を計測するために, グレイコードのポジティブパターンとネガティブパターンを背景パターンとして投影した画像から 不透明物体と透明物体のシルエットを分離抽出する手法について述べ,実験を行った結果を報告する. | ||||||
林 浩一 | M2 | 横矢 直和 | 千原 國宏 | 山澤 一誠 | ||
発表題目:シェーディングを考慮したポアソン画像合成
発表概要:背景画像に人物画像を合成した写真のように,デジタル画像の利用方法として,様々な画像を組み合わせて,新たな画像を合成することが行われている.従来の画像合成では,背景画像とはめ込む画像(ソース画像)の光源環境が違う場合,物体により陰影(シェーディング)が異なる画像が合成されるか,手作業によるシェーディングの修正を必要とする.そこで本発表では画像合成手法の一つであるポアソン画像合成に用いる式を拡張することで,ソース画像中の物体のシェーディングを背景画像の光源環境に合わせて修正し合成する手法を提案する. | ||||||
宮本 龍 | M2 | 横矢 直和 | 千原 國宏 | 山澤 一誠 | 佐藤 智和 | |
発表題目:
テクスチャの変換と類似パターン位置を考慮した画像修復
発表概要: デジタル写真や映像において,利用意図に沿わない物体など画像内の不要な部分を取り除き,その欠損領域を自動的に修復する画像修復の研究が盛んに行われている. 従来,欠損領域と欠損領域以外の領域(データ領域)のパターン類似度を用いて欠損領域全体の尤もらしさを表す目的関数を定義し,それを最適化することで画像修復を行う手法が提案されている. しかし,従来提案されている目的関数の最適化による修復では,以下に挙げる2つの問題により不自然なテクスチャが生じやすい. 1.画像内のテクスチャの種類に限りがあるため,違和感のない修復に最低限必要なパターンがデータ領域に存在しないことが多い. 2.データ領域のテクスチャすべてを利用した修復は計算コストが大きく,またテクスチャの連続性が失われることがある. 本研究ではこのような問題に対して,テクスチャの変換を考慮することでテクスチャパターンの拡張を行う. また,類似パターン位置を解析することで,テクスチャの連続性の喪失を防ぎ,不自然なテクスチャの生成を抑制する. | ||||||
山下 丈之 | M2 | 横矢 直和 | 千原 國宏 | 諏訪 正樹★ | 井尻 善久 | |
発表題目:オンサイト学習による識別機の環境適応:人体検出への応用
発表概要:セキュリティやマーケティングのために大量の監視カメラが用いられるようになっている。こうした監視カメラの監視対象が、多くの場合、人であることから、人の自動監視技術の発展が期待されている。人の自動監視を行うためには人体検出を高精度に行わなければならない。このために、多くの局所特徴量と統計的学習を組み合わせた検出手法が提案されてきたが、こうした方法では学習データが収集された環境と実運用環境が異なるときに、検出の性能が低下する。そこで、本研究では、あらかじめ学習しておいた識別器を実運用環境に適応させることにより、任意の環境において高精度な識別機を構築するための一手法を検討する。具体的には、ある環境で撮影された学習データを用いて構築した識別器を実運用環境において実行して得られた誤検出や未検出の検出結果を用いて、元の識別器を実運用環境に適応させるオンサイト学習を行う。本手法の有効性は、実運用環境において、オンサイト学習を行った識別器と、オンサイト学習を行わない元の識別器との精度比較により、実証する。 | ||||||