ゼミナール発表

日時: 11月22日(月)3限 (13:30-15:00)


会場: L1

司会:中村 奈美
桑村 光男 知能情報処理学 木戸出 正繼
発表題目:ロボットとシミュレーションの並列処理による高速運動スキル学習
発表概要:近年,強化学習によるロボットの運動スキル学習が盛んに研究されている.この枠組みでは,タスクへの達成度を表す報酬値のみを手がかりとし,ロボットが試行錯誤的に運動スキルを獲得することができる.しかしながら,一般に強化学習には膨大な学習施行回数が要求されるという問題がある.そのため,実機への強化学習の適用は未だ困難である.本研究では,ロボットとシミュレータの並列処理によってこの問題の解決に取り組む.具体的には,実機による学習と並列して,類似するダイナミクスを有する多数の物理シミュレータによる学習を実行する.そして,実機学習にシミュレータ等でのデータを有効利用することで,実機学習に要する試行回数の大幅な削減が期待できる.本発表では,本研究の背景と概要について述べる.
 
坂本 伸英 システム制御・管理 西谷 紘一
発表題目:スタック型マイクロリアクタの閉塞プレート検出法
発表概要:近年, 化学反応プロセスとしてマイクロリアクタを用いた研究が盛んに行われている. マイクロリアクタは精密流動制御・精密温度制御が可能であるため従来のプラントではできないような化学反応を期待することができる. また, マイクロリアクタをナンバリングアップすることによって多量の生成物を得ることができる. しかしながら, マイクロリアクタは流路径が小さいため閉塞が生じ生産性が悪化するという問題点がある. そのため, マイクロプラントの実用化にはまだまだ困難な点が多い. 本研究ではスタック型マイクロリアクタの閉塞プレートを圧力センサを用いて検出することに取り組む. 本発表では, 本研究の背景と先行研究について述べる.
 
澤野 堅太 応用システム科学 杉本 謙二
発表題目:[論文紹介]Random Access Game and Medium Access Control Design
発表概要:近年,無線LANのネットワーク内で発生する競合を解決するために,様々な媒体アクセス制御が考案されている.しかし,そのほとんどが既存の媒体アクセス制御に改良を加えたものである.本論文は,無線LANの媒体アクセス制御とゲーム理論の関連性に着目し,ゲーム理論を用いた媒体アクセス制御の設計方法を提案する.媒体アクセス制御の設計にはランダムアクセスゲームと呼ばれる無線LAN用に考案されたゲームを用いることにより,データ転送量の向上,端末の公平性や差別化を可能とする.本発表では,この論文について紹介する.
 
鈴木 隆裕 ロボティクス 小笠原 司
発表題目:指先接触面の滑り量制御と振動を用いた 重量,摩擦,硬軟感提示デバイス
発表概要: 近年,ロボットの遠隔操縦を目的としたハプティック提示技術が注目されている.特に物体把持においては物体の重さ,滑りやすさ,柔らかさといった感覚が重要になると考えられる.我々は物体把持において重要とされている初期滑りを接触面画像を用いて計測しながら,重さや滑りやすさを提示する手法を提案してきた.一方で指先に低周波振動を付加することで,柔らかさを提示する手法が提案されている.そこで本研究では既存の重さ,滑りやすさ提示デバイスに振動を付加することで,柔らかさも提示できるデバイスを提案する.本発表では,関連研究ならびに本研究の課題点,研究方針について述べる.
 
眦帖々明 知能情報処理学 木戸出 正繼
発表題目:最適制御による動的環境下における到達運動の実現
発表概要: 近年,ロボットは人と共に暮らすヒューマノイドとしての活躍が期待されている. ヒューマノイドの運動を生成するにあたって,軌道計画・座標変換・制御の3つのプロセスが必要であり,従来手法ではこれらのプロセスをトップダウンに処理していた.しかし,この方法の場合,関節角限界を考慮した軌道計画や,出力トルクを最小にするような運動を生成するのは難しい. 最適制御では,目的関数を基準に軌道計画・座標変換・制御の3つのプロセスを同時に処理する.生成される運動は設計した目的関数に沿ったものになり,例えば,目的関数としてエネルギーの項を設定すると,消費エネルギーが最小になるような無駄のない運動を生成できる.また,3つのプロセスを同時に処理する上で,関節限界・トルク限界を考慮しつつ,運動を生成するため,できた運動は実行可能性の高いものとなる. 最適制御をヒューマノイドの運動生成に適用する上で,実時間性・モデル化誤差・外乱・目標点の変更に弱いなどの課題がある.先行研究において,それぞれの問題を解決する手法が提案されているが,それら全てを扱った研究はない.本研究ではこれらの課題を解決し,動的環境下で動くヒューマノイドの制御法を確立することを目的とする. 本発表では最適制御をヒューマノイドに適用した先行研究を簡潔に紹介し,これからの予定について述べる.
 

会場: L2

司会:小林 和夫
吉田 尚人 神経計算学 池田 和司
発表題目:[論文紹介]Robust Population Coding in Free-Energy-Based Reinforcement Learning
発表概要:自然界において動物は試行錯誤学習を通して行動を学習してゆくことが広く知られている.このような試行錯誤学習を表現する理論的枠組みとして,強化学習理論が存在する.本論文は従来の手法では学習の困難であった大きな状態空間を有するタスクにおいて,Restricted Boltzmann Machineに基づく手法を用いることで高速に学習を行うことが可能となることをしめす.
 
Dy,Mary-Clare Clarin 生命機能計測学 湊 小太郎
Title:Integration of Axial Displacement in Optical Tweezers
Abstract:Optical Tweezers is an optical manipulation technique that allows the user to trap and move small particles. It has been used in applications such as cell biology and single-molecule research, wherein its greatest contribution is the ability to measure the pico-Newton forces of cells. Recent developments of Optical Tweezers include the incorporation of axial displacement. In this presentation, a basic introduction of Optical Tweezers and its applications will be given, as well as the background information about axial displacement, and its problems. A journal paper will also be discussed to show how a membrane deformable mirror may be incorporated in the present Optical Tweezers setup to enable axial displacement.
 
秋葉 正毅 比較ゲノム学 金谷 重彦
発表題目:microRNAによる対立遺伝子制御の網羅的解析
発表概要:生物はDNAという設計図を元にRNA,タンパク質と遺伝情報の伝達を行い,生命活動を行っている。近年の研究から,タンパク質に翻訳されないRNA(non-cordingRNA:ncRNA)がこの伝達経路に様々な制御に関与することが分かってきた。特に優性・劣性遺伝の制御にncRNAの1つであるmicroRNAが関与していることが報告されている。 本研究では, microRNAが対立遺伝子に対して引き起こす遺伝子発現制御の網羅的な解析を目的とする。
 
近藤 良 論理生命学 池田 和司
発表題目:EEGによる直感の解明
発表概要:近年,脳活動をEEGやECoGなどで計測し得られたデータを機械学習の手法などにより解析するという脳情報科学の研究が盛んに行われており,その研究結果はブレイン・マシン・インタフェース(BMI)の技術支援や人の心理的機能の解明などに応用されている.本研究では後者,つまりに脳活動と人の心理的機能に注目し,人の「直感」という現象の解明に取り組む.「直感」は人の作業効率に影響する.本発表では,関連研究の紹介と本研究の方針について述べる.
 
服部 雄太 比較ゲノム学 金谷 重彦
発表題目:大腸菌における特性変化に関わる遺伝子の探索
発表概要:上記のとおり私のテーマは大腸菌(Escherichia coli)を用いた、その種ごとの特性変化に関わる遺伝子の探索である。本研究で用いる大腸菌は、その名のとおり最初は大腸から採取された。しかし、本細菌は、大腸のみならず、水域など様々な環境にも存在している。また、大腸菌O-157など、世間を騒がせた病原細菌として存在するものもいる。本研究では、これらの性質の違いは遺伝子的に見てどこが違うのかを調べる。本発表では、この背景と現在考えている研究手法を発表する。
 
福山 正人 比較ゲノム学 金谷 重彦
発表題目:大規模データに基づく漢方生薬の適用に関する分類
発表概要:漢方薬は、患者の症状に合わせて複数の天然物である生薬を組み合わせた処方であり、約1500年前に中国から日本へと伝来し、発展してきた。漢方薬は新薬とは異なり、特定の症状に対して処方されるのではなく、複数の症状に対して自然治癒力を高めつつ身体の改善を目指すものである。そのことから、漢方薬および生薬の適用は複雑であり系統立った整理は行われていない。本研究では、漢方薬の生薬とその症状を関連付けるデータ解析を行い、生薬と症状の関係を表す最適なモデルから系統化を目的とする。解析手法には1960年代にH. Woldによって計量経済学の手法として開発されたPartial Least Squares (PLS)解析を用いる予定である。この手法の特徴として、因子と応答の未知の関係および共線性への対応が挙げられる。本発表では、PLS解析での生薬と症状の関係を表すモデルを説明する
 

会場: L3

司会:川波 弘道
尾 智士 環境知能学 萩田 紀博
発表題目:[論文紹介]Robot Exercise Instructor: A Socially Assistive Robot System to Monitor and Encourage Physical Exercise for the Elderly
発表概要:世界の人口は高齢化に向かっている.その為,ヒトの介護を必要としない高齢者を増やす為に社会支援ロボットが注目されている.本論文では,腕の動作を支援するロボットシステムの設計と実装を行う.そのシステムはロボットとヒトのインタラクションを通したトレーニングを行うことで,高齢者の腕を動かそうとする意思の向上を目的としている.このシステムの有効性と実現可能性について検討する.
 
小田 裕也 生命機能計測学 湊 小太郎
発表題目:肝臓部分切除術における内部血管構造の推定と可視化
発表概要:肝臓がんの外科療法として,がんを含む肝臓の一部を切除する肝切除術がある.肝切除術はがんの治療には一番有効な手段であるが,身体への侵襲が大きく,肝臓内部を走行する複数の脈管により手術の難易度は高い.また,肝臓がんは他の部位に転移しやすいため,切除の安全性と同時に根治性が求められる.したがって,綿密な術前計画が必要となる.そこで,本研究では手術中の肝臓内部の血管構造を術前および術中に把握するために,肝切除術の手術プロセスをシミュレートできるフレームワークの開発を目指す.本発表では,研究背景と概要ならびに従来研究と本研究の課題について述べる.
 
小野 祥 インタラクティブメディア設計学 加藤 博一
 
笠原 誠司 自然言語処理学 松本 裕治
発表題目:大規模データを用いた統計的日本語校正
発表概要:文科省の留学生20万人計画などにより日本語学習者の増加が予想され、日本語校正アプリケーションの需要は高まっている。一方で、現在使われているワープロソフトなどは、助詞やコロケーションの誤りを見逃しがちであり、自然な表現を学習したいというニーズを満たしていない。そこで、近年公開された200億文という大規模なデータを利用した校正アプリケーションを作成する事で、より高精度で柔軟な校正を目指す。
 
加村 翔平 生命機能計測学 湊 小太郎
発表題目:肺癌における三次元情報に基づく画像診断
発表概要:今日の医療現場において、医療機器の高技術化に伴い、CT検査などのように、体内の様子をわずか数ミリ間隔で輪切りにした画像で得られるようになり、体内の病気をより高精度に発見できるようになった。しかしその反面、得られる検査結果画像は、1人の患者さん当たり約400〜600枚にもおよび、それらの画像全てを読影し、病名を決定する医師に対して大きな負担が掛かっているといった問題点がある。そこで、本研究では、CT画像(2次元断層画像)に対してボリュームレンダリングを行い、3次元表示で読影可能にする事を考える。この技術を実現する事で、医師の負担軽減と読影速度の向上が期待される。本発表では、これからこの研究を進めていく上での問題点や課題について述べる。
 
岸本 真由美 音情報処理学 鹿野 清宏
発表題目:統計的無喉頭音声強調における学習データの検討
発表概要:事故や病気などで声帯を含む喉頭領域全体を摘出した喉頭摘出者は、声帯振動を用いた発声が不可能である。そのため、声帯以外の器官や機器を用いて音源を生成し、無喉頭音声を発声する。しかし、無喉頭音声は健常者の音声と比較すると音質は低く、話者によらず似た声質となり話者性が劣化する。これまで、無喉頭音声強調のために、固有声変換に基づき無喉頭音声から健常者音声へ変換する手法(Alaryngeal speech to speech: AL-to-Speech)が提案されており、その有効性が示されている。本発表では、AL-to-Speechにおける固有声に基づく混合正規分布モデル(Eigenvoice Gaussian Mixture Model: EV-GMM)の学習に着目し、学習データの量や学習データの内容の違いがAL-to-Speechの品質に与える影響を調査する。